トップには新旧を代表する2路線
利用者増の駅が集まる路線

 89点で首位に並んだのは臨海部を走る「ゆりかもめ」(東京臨海新交通臨海線)と東京メトロ銀座線だった。同点の場合、住民力の得点が大きい方を表中では上に並べてある。

 ゆりかもめは「新橋」「豊洲」間を31分で、銀座線は「渋谷」「浅草」間を32分でそれぞれ結ぶ。営業距離も14.7㎞と14.3㎞でほぼ同じ。しかし、全線開業の年が2006年と1939年と大きく違い、まさに東京都心の新旧を代表する路線としての顔も持っているのだ。

「豊洲」付近を走る新交通ゆりかもめ(東京臨海新交通臨海線)。後ろに見えるのは晴海や勝どきに立つタワーマンション群

 沿線風景はかなり異なる。都心の一等地を走る銀座線が土地力で優れば、埋立地中心の臨海部の高層マンション群を横目に走るゆりかもめは住民力で挽回して並んでいる。

 いま、「渋谷」は歴史的な駅周辺開発プロジェクトの只中にある。銀座線も「渋谷」駅を130m東側の明治通りの上に移す。

 一方のゆりかもめ側は、開場が棚上げになっている豊洲市場を尻目に、「豊洲」「有明」といったエリアではまだまだ住宅供給や商業施設の建設が続いている。

 ゆりかもめの場合、レインボーブリッジを境に陸側と海(島)側に大きく分かれるが、駅で言えば、「新橋」「汐留」「竹芝」「日の出」「芝浦ふ頭」の陸側だけをとれば銀座線をも凌駕する95という高得点になる。海側との得点差は土地力の差であり、住民力ではほぼ拮抗している。むしろ海側の方により勢いがある。

 最大のネックは、ゆりかもめは天候不良や災害に弱い点であろうか。東日本大震災の余波から立ち直るにはだいぶ時間がかかったし、雪などの影響も受けやすい。比較的地下の浅いところを走っている銀座線とはこうした利便性や安定性で大きな差があると言えよう。

 3位東京メトロ日比谷線は「中目黒」から「六本木」「霞ヶ関」「銀座」を経て「上野」「北千住」までをカバーしている。銀座線以上に沿線の駅の性格が大きく異なるが、平均しても上位に食い込んでいるのは土地力の強さによる。

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