選択肢の幅が広がる
不動産投資

 不動産投資は選択肢の幅も広がっている。ビジネスマンが始めやすい投資として浅井氏が着目しているのが、共同出資型不動産とJ―REITだ。

 「前者は、複数の投資家で不動産を購入し、その賃料収入や売却益を投資家に分配する資産運用商品。不動産特定共同事業法に基づいて資本力や運営体制などがチェックされ、認可された法人だけが販売できる商品です。1口50万円くらいの商品もあり、口数で分けやすく、小規模宅地等の減額特例も使えるので相続税対策にも適しています」

 J―REITは証券取引所に上場している不動産投資信託。

 「こちらも小口で始められ、上場しているので売買がしやすいのがメリット。ホテルや物流施設、オフィスなど、個人では投資しにくい物件に投資できるのも特徴です。いずれも、投資対象物件の賃貸需要や稼働率を見極めるのがポイントです」

土地活用はマッチングと
柔軟な発想が大切

 今、土地オーナーの間ではやっているのが「軒先ビジネス」。例えば、200坪の土地があり、奥の方に自宅がある場合、手前の土地を活用して収益を得る方法だ。こちらは立地や土地の形状、道路付けなどにより、最も効率的な活用法を見極めるのがミソとなる。

 「アパートを新築しようとしたけれど、億単位の借金をする割には手残り(金)が少ない。そこでサブリースの時間貸し駐車場にしたら、無借金で同等の手残りとなり、稼働率も良好で成功した顧客がいます。地方のオフィスビルを1棟買いしたけれど埋まらずに困っていた顧客が、トランクルームにして大成功した例もある。土地や建物の有効活用にはマッチングが重要で、柔軟な発想も必要です」

 使い道のなかった田舎の土地に太陽光発電パネルを設置し、売電で収益を上げる例も増えている。これはマンションの屋上でも可能だし、携帯電話の基地局として貸し出しているマンションオーナーもいるという。

 「区分所有のマンションやオフィスビルも、立地によっては時間貸しの会議室にする手もある。マンションの場合は管理規約にもよりますが、ちょっとした発想の転換で、結果が大きく変わることもあるのです」

 不動産投資の、成功と失敗の分かれ目はどこにあるのか。

 「表面利回りだけを追求しないことです。収入から経費やローンの支払額を引いて手残りがいくらになるのか、減価償却後の手残りはいくらなのかを、自分でしっかりシミュレーションすることが大切です。これをしないで、営業トークをうのみにすることは避けてほしいですね」

 自分の老後や次世代への継承を見据えて行う不動産投資。しっかり学んで、成果を上げたい。