“店舗、医療、製造・物流”の
3分野で課題解決を推進

 そして二つ目の戦略が「バーティカル戦略(業種向けソリューション)」だ。一言で言えば、「ブラザー全製品のクロスセル※3 による総合提案力で、業種別にお客さまの課題解決のお手伝いをする」(三島社長)というもの。ターゲットとするのは“店舗、医療、製造・物流”の3業種。もともと同社が得意とする小型でコストパフォーマンスの高い機種と親和性が高く、すでにブラザー製品の導入率が高い分野へのさらなる攻勢である。

※3 複数の製品を組み合わせて提案販売すること。

 「店舗」分野は、ぐるなび加盟飲食店が選んだ複合機ナンバーワン※4 という高いシェアを持つ業種であり、この分野では各店舗のプリンターや複合機をネットワークで一元管理できるソフトなど、豊富な製品群でさらなる深掘りを図る。

※4:2016年10月31日〜11月11日の期間に、ぐるなび加盟飲食店300店舗に調査した結果。

 「医療」分野でも、クリニックの複合機の約3割がブラザー※5 という調査結果を報告。診療所への導入事例も増えており、医療システムのベンダーと連携して訪問診療先での医療文書の印刷を可能とするなど、新しい試みを始めている。そして今年は新たに「製造・物流」分野を目指すことを発表。タフな現場で活躍するモバイルプリンターや、短時間での大量印刷を可能とする高速プリンターなど、クロスセルの提案に力を入れてゆく考えだ。

※5:エグゼメディカル社、メディキャスト社が2016年11月に合同調査。調査方法:電話アンケート 対象数:778件(有効回答数106件) 調査対象:主要都市の無床診療所(開業10年以内)

 同社ではこの二つの事業戦略を推進するため、ビジネスソリューション事業部の人員も強化。三島社長は、「今後もブラザーは、スピード感ときめ細かなマーケティング活動によって、SMB市場においても存在感のあるブランドとして認知され、販売店さまからは信頼の置けるパートナーとして認めてもらえるよう、努力を重ねていきたい」と力強く語った。