これまでのITパスポート試験の応募者は30万人を超える。すでに官公庁や民間企業、大学などでも多くの活用実績がある。
金融庁では、「金融行政にIT知識が不可欠」との認識から、新入職員全員と希望者を対象にIT基礎知識研修を実施。受講者にはITパスポート試験の受験を推奨している。ある民間企業では、全社員に受験を推奨。人材採用でもプラスに評価するほか、就職内定者に受験を推奨し、新人教育の効率化につなげている。さらに、全国の大学でも関連科目の開講が相次ぐなど、裾野は確実に広がりつつある。
CBT方式導入で
利便性も向上
今年11月には、国家試験としては初めて、コンピュータネットワークを利用したCBT(Computer Based Testing)方式を導入。受験の日時や場所が自由に選べるようになり、受験者の利便性は大いに向上する。
「CBTの導入に当たっては最新の試験理論を応用し、より公平で信頼性が高い能力評価ができるようになりました。問題の分析・評価も効果的に行えるので、試験全体の質の向上という点でも、大きな効果が期待できます」
このITパスポート試験は海外でも高く評価され、昨年からフィリピン、ベトナム、タイ、マレーシア、ミャンマー、モンゴルのアジア6ヵ国でも実施されている。
「いまやITと経営・業務との垣根はなくなり、ITはもはや独立して存在する時代ではありません。なぜなら、IT導入には業務の理解が不可欠であり、一方、ITの知識がなければ、有効な経営戦略を立案することはできないからです。ITパスポート試験は文字どおり、『IT社会へのパスポート』。日本社会の効率化や、グローバルな競争力強化を実現するために、欠かせないソフトインフラと考えています」
今後、高度IT社会が進展すれば、IT力の“基礎教養化”はますます進むだろう。ITパスポート試験の普及が、日本社会全体のインフラ強化に果たす役割も期待できそうだ。
「時代の先端を走るITパスポート試験は、国家試験のなかでも、今後、大きな発展が期待できるものの一つです。ぜひ、旬のITパスポート試験にチャレンジしていただきたいですね。企業の方も、人材採用や人材育成にぜひご活用ください。受験者と企業の双方に、大きなメリットがあると確信しております」と川口センター長は締めくくった。