顧客情報を一元的に管理し、経営分析や販売促進に積極的に活用する企業は増えている。しかし、その顧客情報が信頼できないものだったらどうだろうか。業務効率化の妨げになったり、余計なコストがかかったりするばかりか、顧客に不快感を与える恐れもある。そうした課題を解決するのが「データクレンジングツール」だ。
顧客データを最新の状態に保てば
コスト削減、顧客満足度向上に
「株式会社ダイヤモンド社」 「(株)ダイヤモンド」 「㈱ダイヤモンド社」
このような社名が並んでいるのを見て、人間ならば「おそらく同一の会社のことを意味しているのだろう」と察しがつく。しかし、顧客データベースなどの会社名として、重複して登録されている状態だとしたら、どうだろう。多数の顧客情報を管理している人ならだれしも経験があるに違いない。
会社名に限らず、住所、氏名、製品名などで、入力されたデータに「表記のゆれ」があることはめずらしくない。原因は、表記の不統一、入力時のミス、住所移転などによる情報の陳腐化などだ。このように整合性の取れていない、品質の低いデータは、さまざまなトラブルにつながる。
たとえば、同一の顧客に対して同じDMを複数送ってしまうこと。ムダなコストであるばかりか、顧客にとっても迷惑であろう。また、カスタマーサポート部門で顧客を重複登録していたために、前回の問い合わせ内容を前提とした対応ができず、クレームにつながるケースもある。
ビジネスソリューション事業本部
本多理恵子氏
昨今では、部署別や商品別に持っていた顧客データを統合して、全社的なCRMに活用しようと考える企業が増えている。しかし、せっかく顧客データを統合させても、それが重複や入力ミスの多いものだったら、十分な活用は期待できない。それどころか、顧客に迷惑をかけ、企業イメージを悪化させる恐れもある。
こうした課題の解決には「データクレンジング」が必要だ。データの表記ゆれを補正し、適切な表現に導く作業のことだ。データクレンジングツール「OUSIA(ウーシア) Lite」を販売するNTTデータ ビジネスソリューション事業本部の本多理恵子氏はこう語る。
「情報を活用するにあたり、データクレンジングの必要性を感じる企業は多くなってきています。私自身が見てきた企業のデータについても、“機械的に処理が可能”なバラつきにパターンのあるデータと、“目視確認が必要”なバラつきが不規則なデータの二種類が存在します。
データクレンジングツールの進化により、“機械的に処理が可能”なデータの範囲が拡がっているのは事実であり、OUSIA Liteもその一つです。
最終的には目視によるデータのチェックが必要な場合であっても、その前処理としてこのようなデータクレンジングツールを活用することで、すべてを手作業で実施する場合と比べて遥かに効率化が図れます」