私が大学を卒業した30年前は、日本の多くの企業は完全な男社会、それは体育会系男子に代表されるようなタテ社会だったと記憶しています。仕事ができる、上司を立てる、礼節、24時間仕事に費やし、いつかはその会社で偉くなるのが一番の夢、なんて人が多かったのではないかと…感じています。 

 ファッションの話や美味しいレストランに女性をエスコートしたりするよりは、まずは仕事。なりふり構わず、どちらかと言えば目立ち過ぎず、夜は近所の居酒屋や焼き鳥屋に先輩や同僚たちと飲みながら交流を深める、そんな毎日が日本のサラリーマンたるものなんて日々が当たり前のように続いていた、かなり昭和な時代でした。

 ファッションも、紺、グレーのスーツに白いシャツ。履きやすい黒の靴を履いていればそれで安心。誰よりも目立たず、一人だけ浮かない事がよしとされていた、そんな無個性な時代でもあったと記憶しています。

 だから、若い頃の私はサラリーマンの人、スーツで働く男の人が大嫌い。一緒にご飯に行っても全然ドキドキしないし、ワクワクなんてとんでもない。