民主党政権誕生で「円安ドライブ型」へ!?
日本電産・村田製作所・京セラが変態した理由
〔図表 11〕の形状が、筆者の「空想の産物」でないことを証明するために、次の〔図表 13〕を作成した。実務を疎かにした管理会計や経営分析の話など「何の価値もない」という筆者の持論を証明するものでもある。

〔図表 13〕を「タカダカーブ図表」と呼ぶ。前回コラム(輸入企業の為替感応度編)で紹介した「円高限界図表」と「円安限界図表」の総まとめ、となる図表である。〔図表 13〕の上方に07/3(07年3月期)があって、ここがスタート地点になる。
07年3月期以降、日本電産・村田製作所ともに、赤色の曲線で示した「円高ドライブ型」を描いている。この曲線を縦軸に伸ばしていった先にあるのが、両社の「円高限界点」だ。この点より先に円高が進むと、戦略利益がマイナスになる。第64回コラムでは、自動車3社&電機8社の円高限界点を提示したので参照していただきたい。
その後、両社ともに、緑色で表示した09/9(09年9月期)に「タカダカーブ転換点」が現われ、それ以降、青色の曲線に沿って各点が推移している。〔図表 13〕の下方にある11/6(11年6月期)が直近になる。青色の曲線を縦軸に伸ばしていった先にあるのが、両社の「円安限界点」だ。「円高」限界点ではない。
京セラも同様の形状を描いており、日本電産・村田製作所・京セラの3社は、現在では「円安ドライブ型」の企業に「変態」していることがわかる。これが〔図表 3〕(2)の仮説に関する証明である。
3社が「円安ドライブ型」に変態したキッカケは、緑色で表示した09/9(09年9月)に為替レートが94円にまで上昇したからではない。同年同月に、「企業に対して冷たい」と評された、民主党・鳩山政権が誕生したからだ。円高水準だけを問題にするならば、1995年4月に1ドル=80円を突破したころのほうが、もっとひどかった。
〔図表 13〕では、「08/9」のところを赤色で染めている。ここは08年9月に起きたリーマン-ショックだ。この時期にも「タカダカーブ転換点」の兆候はない。ひとえに、09年9月に誕生した民主党・鳩山政権が、「タカダカーブ転換点」を出現させた原因であることがわかる。
菅前首相の「雇用、雇用、雇用」に逆行する「産業の空洞化」
〔図表 12〕をもう一度確認すると、コニカミノルタ以外の7社はもはや、国内で製品を作り、それを海外に輸出する企業ではないことがわかる。別の表現をするならば、これら7社は、登記簿上の本社はニッポンにありながら、収益基盤の大半はすでに海外に移っているといえるだろう。
国内はすでに「もぬけの殻」といったところか。すなわち、これが「産業の空洞化」である。メディアや経済評論家は頻繁に「産業の空洞化」を連呼するが、設備投資額や工場移転などのピンポイントしか話題にしないため、読む側にとって危機感が乏しい。「ニッポン国内は、まだ大丈夫だろう」と。〔図表 12〕の縦軸を「産業空洞化率」と表示しているので、ニッポン経済が直面している現実を改めて確認していただきたい。



