距離、充電、価格が決め手
最大の壁が1回の充電で走れる航続距離だ。これを打破するため、新型は電池の容量を大きくし、航続距離を従来の1.4倍の400キロメートルに延ばした。これにより日産は「平均的なドライバーであれば1週間に1回の充電で十分」としている。
二つ目の壁、充電インフラについても、10年に全国で360基だった急速充電器が、現在は7000基以上に増え、初代発売時より格段に充実している。EVの認知度も高まっており、確かに販売拡大の外部環境は整いつつある。
そして越えなければならない三つ目の壁が、価格だ。
新型リーフの車両本体価格の最安値は315万円台。国から支給される補助金を活用すれば、270万円台で購入できる。その上で、高速道路の運転支援や自動駐車、アクセルペダルの操作だけで停車可能な機能など、日産が持つ最先端技術を惜しげもなく盛り込み、“お買い得感”を演出している。
日産はこうして三つの壁をブレークスルーし、「これまでリーフ購入を控えていた方の不安は払拭された」(星野朝子専務執行役員)とするが、80%の充電に40分かかることや、必ず起きるバッテリーの劣化などを、どう評価するかはあくまで購入者だ。
新型リーフの販売目標については「初代の2~3倍」(同)とするが、数字を明確にしないのは、旧型が目標に届かずに苦い思いをした経験があるからだろう。ライバルメーカーからも、「弱気の表れではないか」との声が上がる。
競合として米テスラが取り沙汰されるが、シェア拡大にはハイブリッド車などからの顧客奪取が欠かせない。つまりライバルは全ての内燃機関車だ。
果たして日産はEV新時代をけん引する覇者になり得るか。新型リーフの販売実績がその試金石となる。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 重石岳史)



