家庭内で“今日の予定”を
言い合える習慣を

 そこで重要になるのが、家庭内のコミュニケーションである。いざというときには、その家庭のライフスタイルや生活習慣が出てしまうのだ。

 例えば子どもが小さいころから、お互いになんでも話し合える関係を築いておき、子どもの行動範囲が広くなったら“今日の予定”を確認する習慣を付けておく。トラブルに巻き込まれる家庭で典型的なのは、親が子どもの帰宅時間を知らない、居場所を知らない、友人関係を把握していない、などだ。

 特に思春期の子どもは、表面は良い子でいても陰で何をしているのか、親が把握できないことが多い。日頃から会話を絶やさず、服装や持ち物を注意して観察しておけば、子どものちょっとした変化に気付けるようになる。

<調査について>調査対象:子育てママ853人(夫・子どもと同居している既婚女性/末子年齢1歳以上) 調査期間:2016年12月27日~17年1月4日 調査手法:インターネット調査
出所:インターネット広告・メディア運営事業のインタースペースが、コミュニケーション日本プロジェクト事務局と、同社が運営する『ママスタジアム』にて実施したもの

 「犯罪が起きる条件は三つあります。狙われる人(子ども)がいる、狙う人間がいる、狙われる環境が整う、の三つです。狙われる子どもというのは、一言でいえば、1人で寂しそうにしている子ども。その表情や雰囲気で、声を掛けられやすい。結局は、家庭環境を整え、親子のコミュニケーションをしっかり取ることが、犯罪の被害者や加害者になることを未然に防ぐ有効な手段になるのです」と、国崎氏は指摘する。

 いわば、アナログ的な家族の絆と、進化するITツールをうまく活用した見守りの両輪で、子どもの安全を守ってゆくのが最善の策なのだ。