こうして開発された「KeepDataHub」のメリットは、既存のシステムはそのままで、導入が可能であることだ。個々に独立したシステムからデータを取り込み、さまざまな切り口から検索・分析・見える化が可能になる。

 もう一つの大きなメリットは、圧倒的な処理速度だ。シンプルで効率よくデータ処理を行うため、散在するテキストデータや数値データを高速計算、クロス集計ができるのだ。余分なリソースが不要なため、システム構築コストやプロジェクト期間を大幅に削減できるという企業にとって大きな利点がある。

 同社と協業しているNTT東日本ビジネスイノベーション本部BBXマーケティング部担当部長・番所嘉基氏は「KeepDataHubは、収集したデータを高速分析するIoT・ビッグデータのシステム基盤技術や、安全性を担保する匿名化機能などを有しており、従来のDWHやBIツールとは次元の異なるソリューションサービスを提供できている。Keepdata社とは今後も共に取り組んでいきたい」と評価している。

製造・運送・医療業界などに
ソリューションを提供

医療業界向けのソリューションでは、匿名化システムを組み合わせることができる。自動分析で課題を抽出し、病院経営分析や医療情報分析を実現している

 同社では設立以来、大手企業へのOEMを中心にビジネスを展開してきたが、夢真グループへの加入を契機に、現在は自社ブランドの直接販売・サービスに力を入れている。

 これまでの主な実績は、製造業向けソリューションとして、3500万行のデータ検索に数日間要していたところ、高速クロス集計や高速絞り込みによって数分で可視化され、業務効率向上と運用コスト削減を実現した。また運送業界向けのソリューションとしては、IoT配送管理システムを提供、配送手配を4時間から15分に短縮し、勤怠管理や運転日誌の自動化を実現した。この他、ドローンクラウドや、医療業界向けソリューションなど、着々と実績を積み重ねている。

 今年から加わった同社マーケティング担当の矢川氏は、「入社前面接で社長の澁谷に競合はと尋ねたところ、マイクロソフトかグーグルかと返答があった。この会社の大きな将来性に感化され、未来をこの会社で変えてみたいと思った」と語る。

 「これからは、データを多く持つ企業が価値を高める“ビッグデータ経営主義”の時代になる」と予測する澁谷社長。そのデータを高速かつセキュアに、さらにリーズナブルに利活用できる“日本品質”の「KeepDataHub」を新・社会インフラとして普及させ、ワークスタイル&ライフスタイルイノベーションを起こすのが、Keepdataの目指すべきところである。

問い合わせ先
Keepdata株式会社
URL:http://www.keepdata.asia/