東北大はIB入試を実施 阪大・適塾入試は見直しも
主な難関国立大の入試別募集人数は上の図の通りだが、旧帝大で推薦・AO入試の募集人数が多いのは東北大と名古屋大で、それぞれ497人、368人。両大学とも推薦・AOを始めたのが早く、段階的に募集人数を増やしてきた。募集人数全体に占める推薦・AOの割合は、東北大が20.1%、名古屋大が17.5%となっている。
東北大は17年度から文・法・理・医・工・農の各学部で、海外大学の進学資格である国際バカロレア(IB)取得者向けのAO入試を実施。国内でIB資格を持つ人がまだ限られていることから、志願者は全体で3人、このうち医学部医学科に1人が合格している。
推薦・AOの募集人数で東北大を上回るのが筑波大で、その数611人、全体に占める割合は29.1%とほぼ3割に達している。これは、体育専門学群と芸術専門学群で合わせて140人の募集枠を設定していることが大きい。
大阪大は17年度から一般入試の後期日程を廃止する代わりに、一部の学部で実施していた推薦・AOを全学部に拡大、名称を「世界適塾入試」に統一した。
17年度に270人だった募集人数を19年度には354人まで広げる計画だ。ただ、世界適塾入試の初年度は思ったほど志願者が集まらなかった。志願者は332人、合格者は118人だった。2月中旬には入学手続きをしなければならず、他大学の一般入試が受けられない。
「東大・京大に比べると、大阪大を第1志望とする学生が多くないことが、志願者が増えなかった要因ではないか」と見る予備校関係者は多い。
このため、一部の学部で出願要件を見直すと共に、高校教員対象の入試説明会や高校生対象の進学相談会を各地で開催するなど、PRにも力を入れ始めた。