EC業界の成長とともに増えつつある商品登録や画像切り抜き、商品動画のチェックなどの作業。それらの細かな実務を在宅ワーカーに依頼することにより、格安でアウトソーシングできるサービスがある。企業と在宅ワーカーのマッチングサイト「シュフティ」を運営する「うるる」に、数千円からのアウトソーシングを可能にした仕組みを聞いた。
在宅ワークを広めるために
誕生した「shufti(シュフティ)」
――注目を集めている御社の事業について教えてください。
シュフティ事業部
田中偉嗣(たなかたけつぐ)氏
田中:うるるは2001年、在宅ワークという働き方を社会に浸透させたいという思いからスタートした会社です。当初はわれわれが企業から仕事を受けて、在宅ワーカーさんに発注するアウトソーシングの形を取っていたのですが、このやり方では在宅ワークは広がっていかないことに気づきました。
そこで誕生したのが、企業と在宅ワーカーが直接取引できるお仕事マッチングサイト「shufti(シュフティ)」です。
特徴としては、PCを使った仕事に特化しており、ネット環境があるPCを持つ在宅ワーカーさんに仕事をお願いできるので、企業へのアウトソースに比べ格安での業務アウトソースが可能となりました。
――御社が間に立ったほうが企業は安心して発注できると思うのですが、その方法では在宅ワークは広げることは難しかったということですか?
田中:われわれが間に入ることで手数料などが発生すれば、せっかくのアウトソーシングがコスト高になってしまいます。加えて、数千円規模の作業では仲介コストを乗せる部分がないため、これまでは小規模の仕事を受託できる企業はなかったのです。
しかし、企業とワーカーとが直接取引できるシュフティであれば、他社が受託できないような小さな案件も受けることが可能となります。これまで外に出せなかった業務が顕在化したこともあって、シュフティを通じた在宅ワーカーさんへの仕事依頼は年々増えています。
――シュフティの登場によって、極めて小ロットのアウトソーシングという新たな市場が生まれたということが言えますね。具体的な発注の流れを教えてください。
田中:企業が仕事を発注したい場合、シュフティ上で仕事を登録します。その仕事を見た在宅ワーカーさんは、それぞれ希望する金額で見積りを提出してきますので、企業はそのなかから在宅ワーカーさんを選択し、発注先を決定します。
発注に際し、企業が最も不安に感じているのが、在宅ワーカーさんとのやり取りだと思います。顔も見えにくく個人である在宅ワーカーさんに大切な業務を依頼するのは、品質や納期、情報漏洩(ろうえい)などの観点から見てもリスクが高いと感じてしまいます。
シュフティでは、登録している在宅ワーカーの能力を独自の能力テストによって数値化しており、また過去の業務の実績やその業務についての「評価」も公開されています。発注側の企業は、見積り金額と合わせて目的に合った人材を選ぶことで、安心した発注ができる仕組みとなっています。