リノベーションに向く戸建て
ここを押さえれば、工事コストが削減できる

 戸建てはマンションと異なり、独自の判断で構造まで手を入れられるので、原則としては既存の状態に左右されずに選べる。ただし、それでは工事コストも大きくなる。工事コストを極力抑えることを念頭に物件を選ぶなら、「10のチェックポイントがある」と、大嶋氏(左下図参照)。詳しく見ていこう。

「まず、戸建ての耐震基準が大きく変わった2000年6月以降の建築確認であれば、耐震改修の必要性が低くなるという目安になります。

 次に、RC造・鉄骨造・木造の構造種別を確認します。木造には在来工法と枠組壁工法(ツーバイフォーなど)があり、前者の方が改修の自由度が高い。大きく間取りを変更したい場合などは在来工法を選んだ方が確実です」

 開口部は、窓ガラスやサッシの断熱性を確認する。00年以降の戸建てにはペアガラスが採用されていることも多く、サッシの素材は、アルミよりも樹脂や木製の方が断熱性が高いことが多い。内覧時には「既存の状態がどれか、そのまま使えるか」という視点で見よう。

 戸建ての場合、過去の修繕履歴は売り主に聞かないと分からないことがほとんどだが、修繕しているかいないかで大きくコストが変わる。特に屋根と外壁はいつ修繕したのかを必ず確認しておきたい。

「漏水跡は、主に窓周りや2階の天井面と小屋裏を見ます。売り主に、過去に漏水したことがあるかも聞いておきたい。ただ、構造種別によっては簡単に修繕できるものか否かの判断は難しい。やはり内覧時に建築のプロに同行してもらうことをお勧めします」