高騰する地価に合わせて
ブローカーの暗躍も

 名古屋市内のマンション坪単価は高いものでは300万円を超えて上昇傾向にあります。地価の高騰もあり、最近ではブローカーの暗躍も目に付きます。 

売りに出されている旧中村遊郭の土地(中村区)

 中心部の特別清算となった会社の土地を小社が専任媒介契約を結んで扱うことになりました。秘密保持を前提に金融機関や開発業者に物件情報を流すのですが、あるデベロッパーが設計会社に伝えた情報がブローカーの手に渡ってしまいました。この設計会社は自分も利益の中抜きを目論んだのかもしれません。

 一般に、専任媒介契約を結んでも、契約書そのものは個人情報が詰まっているので、他に見せるということはありません。物件情報に「専任媒介」と記して業者間の信頼関係で動いています。そこにブローカーが付け込んできました。

 勝手に2倍近い値付けをして、その情報をデベロッパー各社に一斉に流しました。困ったことに、彼らの付けた価格が相場感を形づくり、物件の売却がはかどらないことがありました。

 今回は小社が情報を流した会社から、ブローカーからも同じ物件の情報が来たということで問い合わせがあり、露見しました。彼らは宅地建物取引業者として登録していましたが、無断媒介行為は業法違反で重い処分を受ける可能性があります。

 こうしたブローカーの暗躍を最近よく見掛けるようになりました。東京でも大手デベロッパーが偽の売却情報をつかまされて何十億円もの手付金をだまし取られる事件が最近起きました。

 一般の方も不動産を売る際には「高く売るから」という甘い言葉になびかず、信頼できる業者と話を進めることが大切です。

この記事が収録されている「週刊ダイヤモンド」別冊 2017年11月26日号 中古 マンション 戸建て『中古住宅 売る・買う・創る』の詳しい内容は こちらからご覧いただけます。

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