メンバーの頑張りと
経営陣の覚悟と信頼関係が
成功の秘訣
同社は昨年の創業80周年に、コーポレートアイデンティティー(CI)を見直すプロジェクトを発足。そこにもジュニアボードの経験が生かされた。また部門の垣根を越えて、参画メンバー同士の強いネットワークが構築され、"事実に基づいて考える"などの共通言語も定着した。さらにこれら人材を生かすための異動も行われるなど、一過性の取組みに終わらない動きが続いている。
「ジュニアボードが成功したのは、メンバーの想定以上の頑張りと経営陣の覚悟があったから。通常業務の中で宿題に追われ、厳しい指導があっても継続できたのは、MURCのコンサルタントとわれわれの強い信頼関係があったからです。今は経営幹部の成長と、企業として永続するための変化が社内で起きていることを実感しています」と杉野常務執行役員は手応えを語る。
COLUMN
スギノマシン
六つの「超技術」で目指すグローカルニッチリーダー
富山県魚津市に本社を置くスギノマシンの創業は1936年。国産初の水圧式チューブクリーナーの開発が原点で、その技術から「切る」「削る」「洗う」「磨く」「砕く」「解す」という六つの"超技術"が誕生した。主力商品は、超高圧水を利用して対象物を切断するウォータージェットカッタなど。BtoBのメーカーとして、自動車、エネルギー、航空機、食品、化粧品など市場は幅広い。海外展開にも積極的で、現在売上高の約5割を海外が占める。創業の精神は「自ら考え、自ら造り、自ら販売・サービスする」。昨年創業80周年を迎えて企業理念を構築。ブランドロゴも一新し、富山県をベースに世界で戦う「グローカルニッチリーダー」をビジョンとして明確化した。
COLUMN
創業の精神を承継しさらなる成長を実現する
ウェイ・マネジメントの支援を行う
三菱UFJリサーチ&
コンサルティング
コーポレートアドバイザリー部 (東京)
チーフコンサルタント
世代を超えて成長を続ける強い企業には、必ず「共通の価値観=WAY(ウェイ)」がある。寺島大介チーフコンサルタントは、「創業者の思いや会社のDNAを明文化して浸透させることを、ウェイ・マネジメントと呼びます。企業として存続・成長するためにはウェイの策定が必須で、さらにそのウェイを行動として体現できるよう、会社の制度や仕組み、業務のプロセスに取り込んで浸透させることが必要になります」と説明する。
ある専門商社のケース。老舗企業だが創業当初の挑戦する意識が薄くなり、成長の原動力となるマインドを再構築する必要があった。そこでMURCでは社長の長男・次男をリーダーに、中堅・若手社員を中心にプロジェクトを組成。約1年かけて顧客アンケートやワークショップを実施してウェイを策定した。策定後は、浸透のための委員会を設置、情報共有や新規事業アイデアの検討などを通して、ウェイを体現する風土が根付きつつあるという。「自社の強みや顧客が期待することを客観的に把握し、承継すべきDNAを明らかにすることが重要です。それらをウェイとして明文化し、社内に浸透させ、業務や人事評価等の企業活動にも生かし、成果につなげるという一連の流れをワンストップで支援する、それがMURCの特徴でもあります」
問い合わせ先
三菱UFJリサーチ&コンサルティング
www.murc.jp