アジア各国の航空市場は伸び盛りである一方、多数のプレーヤーがひしめき合い、競争が激化している。その点、ミャンマーならANAが主導権を握れるチャンスが残っているのだ。

 ミャンマーの国際線乗客数は直近5年間で倍増し、400万人に拡大。それに対して現地資本の航空会社は、数こそ多いものの、どこも小粒で経営は芳しくない。市場の成長を取り込んだのはタイやインドネシア、マレーシアの外資系大手ばかりで、地元の航空会社は競り負けている。

 ANAはここに目を付けた。外資系としてではなく、自らがミャンマー発の国際線キャリアーになることで、有望市場をリードする戦略なのだ。

 ミャンマーとの結び付きは深く、1997年に関西国際空港からヤンゴンに直行便を就航。その後この便は運休するも、ANAは現地支店の営業を継続し、今では成田国際空港から直行便を毎日飛ばす。同国の航空人材育成も積極的に支援し、グランドハンドリングスタッフ30人弱を日本で技能実習生として指導している。

 アジアの需要を捉え、勝ち残るには、日本を拠点にしていても限界がある。ローカルを拠点にしたコスト競争力が必要不可欠だ。それに合わせてANAの優れた運航ノウハウやサービス品質を移植できれば、「最強のエアライン」になれると踏んだわけだ。

 こうした背景から、2度の頓挫を経てもなお、同国での航空会社立ち上げを「諦めたわけではない」(同)。新たなパートナーが見つかれば「3度目の正直」に挑む構えだ。

勢い増す中国勢
傘下LCCの中距離参入が課題

 アジア市場の陣取り合戦で残された時間は少なそうだ。スピードが増しているのだ。例えば、カンボジアでは来年、新たに5社の航空会社が立ち上がる。そのうち3社は中国資本だ。

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アジア戦略に傘下LCCの活用

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