コロナ禍によって今春以降、コンビニエンスストアの求人に応募が殺到している。業界にとって積年の課題だった人手不足がやや薄らぐ一方で、これまで熱を帯びてきた24時間営業の見直し議論に水を差し始めた。(ダイヤモンド編集部 中村正毅)
外食からコンビニへ
コロナ禍で求人に応募が殺到
340人――。コンビニエンスストア大手のローソンが今年5月、東京都墨田区の新店開業に伴い求人をかけたときの応募数だ。
新店の求人数は20人程度だったため、倍率は実に17倍にも及ぶ。既存店を含めた自社の求人サイトを通じた応募総数は、4月は前年同月比で約3倍、5月以降も4~7割増という高い水準で推移しているという。
セブン-イレブン・ジャパンやファミリーマートも状況は同じだ。地域や店舗によってかなりばらつきがあるものの、8月は両社とも求人応募数が前年同月比で約2倍に膨らんでいる。
応募急増の背景にあるのが、コロナ禍による飲食店の営業自粛だ。4月以降、アルバイト先の飲食店が営業自粛になり、生活費を稼ぐことがままならなくなった学生などが、コンビニの求人に飛びつくようにして応募しているわけだ。