日本では欧米先進企業に比べて、ビジネス上の意思決定におけるデータ活用が十分ではないとの指摘が絶えない。そこで、ダイヤモンド・オンラインでは、ドーモ株式会社と共同で経営者や企業幹部を対象としたアンケート調査を実施した。その結果、「意思決定にデータをもっと活用すべき」との回答が、実に84%に上った。

データ活用の必要性は認識、
だが、実態としてはできていない

 IoTやクラウドなど新しいテクノロジーの発達により、データの収集・蓄積コストがますます低下するなか、データが企業の競争力を左右する貴重な"資産"であるとの認識が世界的に高まっている。

 そうした環境変化の中で、日本におけるデータドリブン経営はどこまで進んでいるのか。その実態を把握するために、ダイヤモンド・オンラインでは、経営の意思決定プロセスやデータの収集・分析・閲覧・共有環境などに関するアンケート調査を行った。

 その結果、84%が「意思決定にデータをもっと活用すべき」と考えていることが明らかになった。つまり、実態としては勘と経験に頼る意思決定がまだ少なくないことが推察される。

 この点について、グローバル企業の経営に詳しいデロイト トーマツ コンサルティング執行役員の日置圭介氏は、「メガトレンドやマーケットインテリジェンスなどの外部情報から、自社の技術要素やそれをビジネスに組み上げるプロセス、そしてビジネス性の評価・分析に至るまで、情報戦の不得手、データ活用の不足が、日本企業が苦戦している要因の一つと考えられます」と指摘する。

 本調査レポートでは、なぜ経営の意思決定にデータが十分に活用されていないのか、そして、データを活用して新しい価値を創造するためにはどうすべきなのかを考察する。それとともに、グローバル経営管理やデジタルマーケティングなどの領域において、データドリブン経営に向けて新たな一歩を踏み出し、大きな成果を上げた企業の事例を紹介する。