認知症サポートなど
高齢化対策にも注力

 特に顧客との一番の接点となる管理員の資格取得にも力を入れている。原則としてすべての管理員が普通救命講習(AED技能講習を含む)を受講。実際に心肺停止となった人に対して管理員が心肺蘇生を実施し、人命救助の一助となった例もある。認知症サポーターの講座も全管理員に受講させている。

「認知症サポーターの講座を受講することは、お住まいの方の高齢化、認知症の方の増加に対応するだけではなく、思いやりやホスピタリティを養うためにも大変有効です」(佐野社長)

写真2 共用部分リフォームの例 居住者の高齢化対策にもグループでは積極的に取り組んでおり、高齢化に対応した共用部のリフォームにも多くの実績がある。写真は、エントランスのスロープ化、自動ドア化(上)と階段の波型手すり新設(下)。
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 高齢化対策として提案してきたエントランスのスロープや階段の手すりの新設も顧客目線の身近な提案として住民に好評だという(写真2)。

 また、通常の管理業務に加え、居住者サービスが充実しているのも同社の特徴だ。たとえば、不用になったものを買い取る不用品出張買い取りサービスは、不用品をリサイクルショップに持ち込む手間が省け好評だ。オプションで提供する専有部分向けのサービス「住まいるレスキュー」では、“トイレが詰まった”“電球を交換したい”といった、日常のちょっとした困りごとに電話一本で対応している。

 昨今特にニーズの高い防災対策についても積極的に提案している(コラム参照)。実際の災害発生時には、居住者の安全確保やライフライン復旧を迅速に進める体制をグループで整えている。先の東日本大震災の際は、地震発生直後から社員総出で管理物件の安全確認に当たり、被災状況の把握をほぼ2日間で行ったという。

「マンションの資産価値として、そこに住みやすい環境やコミュニティが存在しているか、ということが大切な要素だと思います。当社は『人と街、繋ぐ、育む。』をスローガンに掲げ、そこにお住まいの居住者間、そして街や地域コミュニティを繋ぎ、安心で住みやすい環境創造のお役に立てるよう努力してまいります」と佐野社長は意気込みを語った。
 

さまざまな防災対策・
コミュニティイベントを提案

管理受託マンション ザ・タワー大阪での開催風景(2011年11月20日)。管理組合・自治会・近隣居住者の参加で盛大に開催。

ジャパン・リビング・コミュニティでは、防災用品の備蓄提案や玄関扉の耐震対応など、さまざまな防災対策を提案している。また、NPO法人プラス・アーツが企画する楽しく学ぶ防災訓練プログラム「イザ! カエルキャラバン!」(写真)に協賛。おもちゃの物々交換(かえっこ)や、ゲーム感覚溢れる「消火」「救出」「救護」の体験のなかで、親子で楽しみながら防災の知恵と技術を身につけてもらえるイベントを通じて、居住者の防災意識の向上、地域コミュニティにも配慮した居住者間のコミュニティ形成の促進を働きかけている。