新技術でみんなが
ワクワクする未来を

 エコーネットライトが広がることによって、企業はこれまでにないサービスを創出する機会を得ることになるでしょう。ある住宅メーカーは、住宅の予兆保全が実現できるのではないかと期待しています。オフィス家具のメーカーや壁の建材を手がけているメーカーなど、さまざまな業種・業態の企業がエコーネットライトに興味を持ってくれています。近い将来には、私たちの想像を絶するようなサービスが出てくるかもしれません。

 私は外部の人に説明する際に、よく「スマートハウスは『住まう人(スマート)ハウス』です」と言っていますが、これは住まう人を快適にすることがスマートハウスの本質であることを理解してもらいたいからです。

 最近はAI(人工知能)やIoTなどの最新テクノロジーの話題が一般のマスメディアでも取り上げられるようになりました。そこでは人間の職を奪うといった脅威論も少なくありません。テクノロジーの話になると、既存の仕組みをいかに代替するか、つまり効率化・省力化することに目が行きがちになります。もちろん、こうした側面も大切なのですが、もっと人にとって夢のある活用方法、みんながワクワクするような未来を考えた方が、テクノロジーを開発する側のモチベーションも上がります。「夢のある暮らし」を実現する――私は、これがスマートハウスというテクノロジーの本質だと確信しています。

(取材・文/中川真 撮影/加藤有紀)