2年間でノウハウを習得
全現場でアイコンを導入

 12年、早速ニコン・トリンブル製の情報化施工システムを搭載した油圧ショベルとブルドーザーを導入した。

政工務店 ICT事業部 藤本竜太 課長

「でも当初は機械に使われているだけでした」と言うのは同社ICT事業部の藤本竜太課長。

「何かあるとすぐにニコン・トリンブルの担当者に質問していました。これでは情報化施工を導入した意味がないと気付き、ほとんどの問題を自分で考えて解決するように改めました。その結果、3年目から情報化施工に関するノウハウが蓄積され、機械を使いこなせるようになりました」

 そうなると現場も活気付く。

「下請けの仕事のときは、(通常は元請けが行う)丁張りが不要なので、まず元請けさんから喜ばれました。オペレーターは、3D設計データによって完成図をイメージできるようになり、主体的に動けるようになった。確認作業はモニターでできるので重機の乗り降りが不要になり疲労も抑えられる。重機と作業員の接触も避けられて安全面でも有利な現場が生まれました。さらに(正確な重機の作業を手本に)新人オペレーターの技術習得速度も速くなったのです」(寺尾社長)。

 この実績を基に「昨年度からUAV(ドローン)の測量を始め、今年度からはトリンブルの販売担当に相談しながらレーザースキャナーを購入したりして、測量まで含めたICTに移行しつつあり、当社の現場は全てICTでやるというのが目標です。現在は同時に6現場を動かせていますが、それができるのもICTを導入したおかげです」と藤本課長は自信を見せる。ICT対応重機の保有台数は19台に増えた。

 ICTにかじを切って、経営面でも順調だ。「次の現場も政工務店で、と指名していただくケースが増え、17年度の下請け工事の売上高は前年比2・5倍になりました」と寺尾社長。

 また、工期短縮から生まれた余剰人員を他の工事に回すことができることから、生産性も向上した。社員の待遇改善という「i-Construction」の本来の目的も達成。「i-Construction」の積極導入が地方の建設会社をここまで強くしている。

 

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