「エコマークの認定基準は、制度開始当初はシングルクライテリア(評価軸が単一)でした。たとえば、スプレー製品にフロンガスを使わないというだけで認定が取れたのです。しかしISOの基準が製品ライフサイクルを考慮したマルチクライテリア(評価軸が複数)になったことで、エコマークの認定基準も変化しました」と宇野事務局長。マーク自体は変わらなくても、求められる内容は高度化しているのだ。
エコマークのようにISOに基づいた第三者認証の環境ラベルは、世界40ヵ国以上の国や地域にある。それらを運営する28団体は世界エコラベリング・ネットワークを形成。エコマークはそのうちのいくつかの機関と相互認証協定を交わし、輸出入した商品がお互いの国の環境ラベルをスムーズに取得できるよう、手続きの簡素化などを進めている。
サービスでも
エコマーク取得が進む
エコマークの商品カテゴリーは、びん、ゴミ袋、パソコン、楽器、食器、衣服などさまざまだ。カテゴリー数は制度開始当初から増え続け、現在50種類を数える。
「たとえば、以前は消火器のカテゴリーはありませんでしたが、数年前に新設し、消火器内に使う消火剤の40%以上を再生材料にするなどの基準をクリアすることで認定を取得できるようにしました。そして、それをきっかけに消火器メーカーのエコマーク取得の動きが広がったのです。これはエコマークがいい効果を発揮した事例の一つだと思います」
最近では、損害保険や小売店舗といったサービス分野のカテゴリーも制定されている。たとえば損害保険では、「保険契約者に対し『エコ安全ドライブ』の内容を紹介する」「約款のペーパーレス化」などの基準が設けられている。
現在は「ホテル・旅館」「カーシェアリング」のカテゴリー化を検討しているという。エコマーク事業では新たなカテゴリーの提案も受け付けている。自社の商品でエコマークを取得したいがカテゴリーがない、という場合は、事務局に提案をしてみるといいだろう。
エコマーク事業では、各カテゴリーにおけるエコマーク認定商品の市場シェアが1~3割を占めることを目標としているという。それにより、エコマーク商品が環境配慮商品のリーダーシップをとることができるようにという狙いだ。「企業や団体は環境に優しい商品を市場に提供し、消費者はそれを積極的に選択する。その結果、持続可能な社会が実現する。そのようなグリーンマーケットの形成を実現するために、今後もエコマークの普及に取り組んでいきます」と、宇野事務局長は今後の意気込みを語った。