ビジネスクラスの
快適性が進化

 LCCと並んで話題となっているのが、昨年デビューしたボーイング787だ。この中型旅客機は、機体に丈夫で軽い炭素繊維複合材料を使用し、低燃費エンジンを取り入れるなどで燃費効率を従来同規模機より約20%向上させた。また最先端技術によって、客室内の気圧や湿度の快適性も向上している。

 エアバス社の世界最大の旅客機A380もボーイング787同様、最先端技術により機体の軽量化や燃費効率の向上が図られている。

 こうした機体の進化とともに、機内も進化している。緒方氏が着目しているのは、やはりビジネスクラスだ。

「最近のビジネスクラスの座席配列は、“1-2-1”や“1-1-1”が増え、1席当たりの専有スペースが広くなっています。しかもフルフラットなので、ひと昔前のファーストクラスのような快適さ。荷物スペースが両側に付いたシートならパソコンと資料を広げて仕事ができるし、他人と隣り合わせの気まずさもない。長距離のフライトでも疲れを感じずに過ごせます」

 出張でのビジネスクラス利用を許可していない会社は多いが、移動で疲れ果てて出張先での仕事に臨むより、機内でゆったりと過ごしたあとに空港のラウンジで身だしなみが整えられるビジネスクラスを利用したほうが、到着してからの時間のムダがなく、また仕事の生産性も上がるというものだ。

ホテルも低価格化や
プレミア化が進む

 ホテル業界にも、低価格化の波は押し寄せている。

「海外のホテルを探す際には、エクスペディアなどインターネットのホテル予約サイトを使うと、旅行会社経由よりも安くていい部屋が見つかります。また旅行会社では限られたプランのみの扱いですが、こうした予約サイトならそのホテルの数多くのプランのなかから選ぶことができます」(緒方氏)

 またサイト経由であれば、ホテルにとって直接顧客になるので、多少の無理でも柔軟性のある対応をしてくれることが多いらしい。知っておいて損はない情報だ。

 中級ホテルのプレミア化も進んでいる。従来はパッケージ旅行でしか使わないとされていた低価格ホテルが、少し上のサービスを提供する例が増えている。

「ベストウェスタンホテルやホリデイ・インといったチェーンが、日本のビジネスホテルのような安くてきれいなホテルを世界に展開しています。出張でも使いやすいと思います」

 航空会社もホテルもサービスを多様化している。自分に合ったものを見つけることが、快適な旅行を実現する秘訣といえる。

都心から好アクセス
羽田国際線を賢く使おう!

2010年、都心に近く地方空港からのアクセスもよい羽田空港に国際線定期便が戻った。羽田便は人気なので満席のこともあるが、行きか帰りのどちらかを成田便にすれば取りやすいはずだ。行きは旅行気分で成田便、帰りはすぐ家に帰れる羽田便、と使い分ければ心理的・肉体的負担を軽減できる。逆にギリギリまで仕事をするなら行きを羽田便にするのもいいだろう。
深夜出発が多い羽田便は機内サービスも工夫されている。たとえばJALでは同じパリ便であっても、午前発の成田便とは異なって軽い朝食が飲み物と一緒に提供される。こうした違いを知るのも旅の楽しみの一つだろう。