日本語ワープロソフトの「一太郎」や、かな漢字変換ソフト「ATOK」で知られるジャストシステムは、ネットリサーチを安価に行えるサービス、「Fastask」の提供を昨年10月より開始した。1問1サンプルあたり10円(最低利用価格1万円~)と、従来の3分の1から5分の1程度の費用で調査が可能。リサーチの設計から実施・分析までユーザー自身で行えるセルフ型、かつスピーディなアンケートサービスとして注目されている。

 ネットリサーチは通常、①調査設計、②スクリーニング調査、③本調査、④集計、⑤分析という手順で行われる。人手に頼っていた従来のアンケート調査に比べればかなりの効率化が図れるが、「まだ“人の介在”がありすぎて無駄が多い」と、指摘するのはジャストシステム事業企画部のシニアマネージャ、石川英輝氏だ。

 たとえば、調査設計等の段階でリサーチ会社の担当者との打ち合わせは複数回に渡り、本調査実施に入るまでに1週間以上かかってしまうケースも少なくない。「コスト面でも“人”が介在することで、1回のリサーチで数十万円から、大規模なものになると100万円を優に超える費用になります」(石川氏)。

図1 一般的なネットリサーチ会社とのスピード感の違い


  そこで同社が開発したのが、人が極力介在しないセルフ型ネットリサーチの「Fastask」だ。調査設計や設問の作成をユーザー自身が行うことで、スピーディに公開できる。コストは、1問1サンプルあたり10円。10の設問で300件のサンプル(回答)を得るのにかかる費用は、わずか3万円だ(1調査あたりミニマムチャージ1万円より)。

 リサーチ経験やノウハウを持たない担当者でも、スムーズに調査ができるよう設問作りのガイドラインやテンプレートを用意。「アンケートが公開される前に、Fastaskのリサーチャーが、有効な回答が得られるような設問か? 分岐や設計に間違いないか? などをチェックし、アドバイスをする仕組みも導入しています」(石川氏)

図2 一般的なネットリサーチ会社とのコストの比較