東日本大震災の被災地に太陽光発電を設置するボランティア活動から誕生したLooop。太陽光発電のビジネスに加え、2016年から電力小売事業「Looopでんき」を開始。わずか2年で低圧部門9万件超えの契約を獲得するなど、独立系新電力の雄として成長を続ける。

 Looopの設立は2011年4月。東日本大震災で被害を受けた宮城県石巻市・気仙沼市で、独立型ソーラー発電セットの無償設置を実施したことをきっかけに設立された。その経験から、顧客自身で設置できる太陽光発電所を開発してエネルギー業界で注目を集め、16年から、さらなる自然エネルギーの普及を目指して電力小売業をスタートした。

業界の常識を打ち破る
「基本料金0円」の料金プラン

小嶋祐輔
執行役員
電力事業本部 本部長

「当社の特徴は、高圧・低圧の電力をエリアに偏らず全国規模で供給していること。独立系新電力のベンチャー企業として、新しいメニューやサービスを積極的に打ち出していることにあります」。そう語るのは、電力事業本部の小嶋祐輔本部長である。

 従来からの、再生可能エネルギー事業による事業基盤と、効率的なオペレーションの確立、緻密な分析による料金プランなどによって、価格の優位性を確立し、すでに高圧で約4000件(自社小売分のみ)、低圧で9万件を超える申込件数を数えている。

 料金プランの特徴は、基本料金0円にある。使用した電力量に応じて支払いをするというシンプルな仕組みで、業界では常識的な“基本料金”という概念を打ち破ったものだ。

 また17年度からは、自然エネルギーを発電のスタンダードにしていくため、「Looopでんき+(プラス)」という新たなサービスを開始した。これは、住宅用太陽光発電システムで売電したり、同社の住宅用太陽光発電システム「LooopHome」や家庭用蓄電池「Looopでんち」を購入したりすると、電気料金が割引になるという、プラスの価値が付いたサービスだ。