• 利上げの到達点に対する不透明感
トランプ大統領は先週のウォール・ストリート・ジャーナルのインタビューで、「最大のリスクは米連邦準備制度理事会(FRB)だ」と述べて、FRBを再度攻撃した。トランプ大統領と同じ意見のエコノミストや投資専門家の数は増えている。彼らはまだ少数派だが、株式市場が年初来の上昇分を吐き出す中で、そういった声が高まっている。
ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズで上場投資信託(ETF)のSPDRシリーズにおけるチーフ投資ストラテジストを務めるマイケル・アロン氏は、「最近の市場の混乱の原因としては、よくある多くの理由が考えられる。中国との貿易関係の悪化、米国の11月の中間選挙、米国の金利上昇、イタリアの歳出増加、サウジアラビア人ジャーナリスト問題、さらに、ボラティリティが年間で10月に最も高い傾向にあること、などが挙げられる」とレポートしている。
しかし、同氏は、市場を本当に動かしているのは、「中立」的なフェデラルファンド(FF)金利の水準をFRBが分かっていないことだ、と主張する。言い換えれば、FRBがいつまたはどこで利上げを止めるか分かっていないという点だ。「その結果、投資家は金融政策による災難の可能性が高まる中で、金融資産の価格を再調整している」と主張する。
第3四半期国内総生産(GDP)成長率の速報値は3.5%(季節調整済み前期比年率換算)と好調だったものの、米景気循環調査研究所(ECRI)の共同創業者であるラクシュマン・アチュサン氏は、インフレ率が低下に転じ、米国は隠れ減速モードにあると言う。
このような見方は、投資家やエコノミストのコンセンサス、およびFRBのパウエル議長の見方と対照的だ。パウエル議長は、FF金利誘導目標が2~2.25%という非常に緩和的な状態から中立金利に達するまでには、まだ相当の距離があるとFRBがみていると、示唆した。9月の連邦公開市場委員会(FOMC)は、2019年末までに25ベーシスポイント(bp)ずつ4回の利上げを想定していた。



