五感を活用して
空間をカスタマイズ

 移動空間で仕事をする場合は、そこに自分にとって最も仕事をしやすい空間を再現することが必要だ。飛行機での長時間の移動の際は、快適に仕事をしつつ疲れを軽減するためにも、占有スペースが広いビジネスクラスを利用したい。テーブルにノートパソコンやスマートフォンなどを会社のデスクと同様の位置にセッティングするだけで、普段の仕事環境が整う。

 また、列車内や飛行機内の騒音にはノイズキャンセリングヘッドホンで対応。また普段から集中できる曲、リラックスできる曲などで体への条件付けをしておけば、携帯音楽プレーヤーなどでそうした曲を聴くことで集中とリラックスをセルフコントロールできるようにもなるだろう。

「“五感の仕掛け”を施すことは、空間をカスタマイズする有効な方法です。私は宿泊先のホテルでアロマを使って、嗅覚によるカスタマイズを行います。あらかじめ“自分の空間”になる香りをつくっておくことで、ストレスを解消し、十分な休息を取ることができるのです」

目と耳からの
情報を積極活用

「出張はその土地の空気を体感する絶好のチャンスです。カフェや街中で積極的に地元の人と触れ合うことで生の情報を得ることができます」

 出張先で自分の中の常識とは異なる“違和感”があれば、その理由を考えることが次のビジネスのヒントになることもある。目的の仕事だけでなく、現地でのフィールドワークは、出張だからこそできることだ。

「時間は人間に与えられた共通の資源であり、それをいかに効率的に使うかは個人の意識の持ち方次第です。デジタルガジェットを十分に活用し、仕事空間を再現するちょっとした努力によって、出張は非常に有益な時間となるはずです」