トップ10に不動産6社がランクイン

 このランキングを見る際に注意する点が一つある。売上高と在庫を比較することで、適正な在庫水準から懸け離れた会社を見つけ出すのが主眼だが、ビジネスの違いもあって適正水準は業種ごとに異なる傾向にあるのだ。

 例えば、18年度で上場企業全体の平均値を計算すると47日となった。トップ10に6社がランクインした不動産の平均は203日だ。2社がトップ10以内に入った医薬品は107日で、いずれも上場企業の平均を大きく上回る。

 一方、4位の夢みつけ隊(758.6日)が属する小売業の平均は37日。7位のFRACTALE(723.4日)の情報・通信は14日だった。

 いずれにせよ、トップ10の会社は業界平均から懸け離れた水準にあるのは間違いない。過大在庫を抱えている恐れがある。その水準は、年商の1.4~4.6倍に達しており、今後の動向には注意が必要だろう。

不動産業界に手持ち在庫投げ売りの動き

 6社がトップ10に入った不動産に関して、帝国データバンクの内藤修・横浜支店情報部長は「在庫がなかなか売れない不動産業者の話をよく耳にするようになった」と語る。

 実際、不動産経済研究所が発表した5月のマンション市場動向調査によると、首都圏の新築マンション発売戸数は前年同月比10.4%減。マイナスは5ヵ月連続だ。物件価格の高騰が背景にあるが「足元で消費者の購入意欲がずいぶん落ちてきている」(都内の不動産業者)との声も高まっている。

 内藤氏は「銀行の主導もあり、手持ち在庫をどんどん売ろうとする動きが不動産業界に出てきた」と指摘する。

 売れ行きの変調や価格の下落は、「過大在庫が心配な会社」を直撃する。上位企業については、過去の数字の推移なども併せてチェックし、正常かどうか確かめてほしい。

(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

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