
自民党総裁選挙に立候補している林芳正官房長官が、ダイヤモンド編集部の単独インタビューに応じた。「基本的に赤字国債には頼らない」と明言し、財政規律重視の姿勢を見せる。自身が公約で掲げる「日本版ユニバーサルクレジット」と題した社会保障改革から、インフレ2%目標の在り方まで、「林プラン」を語り尽くしてもらった。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)
規律を維持し、財政余力を持つのが重要
累積赤字の対GDP比の割合も下げる
――プライマリーバランスの黒字化をはじめとした財政規律への考え方を教えてください。
「2011年にプライマリーバランス黒字」という目標が、最初の財政改革でした。それ以来、リーマンショックや、東日本大震災などがあり、なかなか実現できずにいましたが、今年度ついにプライマリーバランスの黒字が見えてきています。
これはやはりアベノミクスから始まった新資本主義が功を奏してきたということだと思います。この動きを止めてはならないと思っており、基本的には「赤字国債には頼らない財政」としていきます。
プライマリーバランスの黒字を達成した暁には、次の目標は、(債務残高)累積赤字の対GDP(国内総生産)比の割合を落としていくことです。経済成長でGDPが増えれば、計算をする際の分母が増え、対GDP比での割合は下がっていきます。
そして、経済成長をすれば、税収も増えるので、財政に少しずつ余裕が出てくる可能性があります。
大きな災害があった際や、決してあってはありませんが有事のときに備えていくという意味でも、財政余力を持っておくことは、非常に大事なことだと思っております。