世界に約37万人超のグループ従業員を抱えるグローバル企業、IBM。同社が、自社のAI(人工知能)「IBM Watson」を活用し、従業員体験の向上に取り組んでいる。

デジタル化の時代は
従業員体験が企業競争力を左右する

 昨今、「従業員体験」という言葉をよく耳にするようになった。特に人材マネジメントの領域では、従業員体験を向上できるかどうかが、企業の競争力を大きく左右すると考えられるようになっている。

 採用から研修、職場への配属、人事評価、人材開発、異動・昇格といった、いわゆるエンプロイー・ジャーニー全体を通じて、自己成長や働きがいを実感できるようにすること。それが従業員体験の向上だ。

 従業員体験を向上できる企業でなければ、学習意欲、成長意欲が高い人材を採用したり、長く働き続けてもらったりすることはできない。優秀な人材の獲得競争が激しくなる中で、企業の人事部門や経営幹部の間では、そうした危機感が高まっている。

 そこで参考にしたいのが、IBMの事例である。IBMは自社のAI「IBM Watson」を従業員体験向上のためにフル活用している。

 一人一人のスキルや職務履歴、キャリア志向などに応じて、学習機会や仕事の機会(ジョブ・オポチュニティー)などを個別最適化し、提供しているのである。

 もちろん、Watsonがすべてを判断しているわけではなく、Watsonのアドバイスを参考にしながら、本人や上司、人事部門などが協調して、最適な学習プラン、キャリア開発プランを決めているのだ。

 ダイヤモンド・オンラインでは、従業員体験の向上にIBMがWatsonをどのように活用しているのかをまとめたホワイトペーパーを作成した。AI時代の人材マネジメントの先進事例として、ぜひ参考にしていただきたい。