もっとも、国内路線に関しては独占禁止法に抵触する可能性が否定できないので、慎重な判断が求められる。
そしてオーナーと第2位の大株主であるHISで50%以上の株式を保有するため、彼らが株式の売却に応じないことには実現しない画餅に終わってしまう(そして、おそらくオーナーもHISもそう簡単には株式の売却には応じないと思われる)。
したがって、実現可能性の点では厳しい案件になるのだが、買収すれば、ANAにとってはANA、スカイマーク、Peachと3つの価格帯で商品を提供することとなり、ほぼすべての顧客層の取り込みが可能である。
ANA株の半数は個人投資家が保有している
ANAの今後の株価について考えてみよう。
同社の株価は増資発表翌日に大幅に下落したが、増加する株数(10億株、希薄化率30%弱)と比べると下落幅はある程度の範囲に収まったとも言える。ただ、3年前にも公募増資を実施しており、その時よりも今の株価は低いので、既存株主に対してはより詳細なIRが求められることになる。
そして気になるのはなんといっても今後の株価動向だ。
ANAの株価。7/6現在では公募増資発表前に比べて約10%の下落にとどまっている。株価は基本的には収益に基づいてつくものではあるが、同社の場合は圧倒的に個人株主が多いという非常に特殊な株主構成であり、株価形成にも大きな影響を及ぼしている。
同じように個人株主に広い人気を集めている銘柄としては、電鉄株やカゴメ(%%%2811%%%)がある。ANA、電鉄株、カゴメ、すべてに共通するのは個人株主が株主優待を目当てとして株式を保有していることだ。
金券ショップなどでお見かけするANAの株主優待チケットは、半額で飛行機に乗れるというものであり、電鉄株では無料の切符が送られてくるし、カゴメはカゴメの商品詰め合わせが送られてくる。電鉄株、カゴメともに、個人株主が絶対的な安定株主として存在することで、PERは高い水準を維持できている。



