「当初国内では独占的に取り扱っておりましたが、徐々にライバルメーカーが現れ、一時期、売り上げが大きく落ち込んだことがありました。そこで奮起し、『ぜひ御社の商品を取り扱わせてほしいと言っていただけるような商品を作る!』との意気込みで製品開発に力を入れ、電子回路部品にいち早く取り組みました。ライバル社が商品化していない販売数の少ない車種も商品化して対応車種の拡充を図り、危機を乗り越えたのです」
現在はOEMまたは独自ブランド「kanatechs(カナテクス)」で、オーディオメーカー、量販店、関連商社、カーディーラー、ネットショップなどを通じて販売。カーナビの販売に貢献している。
日本車市場を狙い
海外進出を計画
同社では現在、海外展開の準備を進めている。海外でも日本車は多く販売されているが、それに合うカーAV取付キットは少ない。これまで、ドイツの展示会「アウトメカニカ」などに出展し、好感触を得てきた。
「カーAVをきれいに取り付けたいという需要は確実にあり、高品質な製品であれば、相応の価格でも売れると考えています。海外展開の際は、現地で設計したものを日本で生産し、輸出するスタイルを取りたい。そのための現地調査を進めています」
開発力を生かした高付加価値製品で市場をつかみ、海外へと飛躍しようとするカナック企画。親会社の創業から85年目を迎えてなお躍進を続ける同社は、逆境に立たされた日本の中小製造業が目指すべき姿といえるかもしれない。
ディテールにこだわった
オリジナルUSBメモリ
カナック企画ではセールスプロモーション事業も展開している。その主力製品がオリジナルUSBメモリだ。一般的なスティック型の他に、シリコンによる完全オーダーメード成型タイプ、全面印刷によるカード型タイプ、1台2役のペン型タイプなどをラインアップ。記念品、イベント・展示会のノベルティ、会社案内や商品カタログの配布などの用途に活用されている。
オーダーメードタイプは顧客の希望するデザインで3Dデータを起こし、サンプルまで作成してチェックする本格派。これまで顧客の製品をミニチュアにしたものやキャラクターを立体化したものなど、数々のUSBメモリを作成。ディテールの細かさ、表現力の高さで顧客から絶賛されている。