遠山周平

■第11回 Sep.6.2012 遠山周平

強く優しくを理想の男性像とする、
エシカルドレッシングの薦め

著者・コラム紹介
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 一級技能資格を持つ元仕立て屋で、今はこの店のベテランフィッターを務める寒澤利夫氏は「我々は洋服を売る商売ではありません。だから正直にお客様に似合う服、適性なサイズ感、それに伴う補正箇所がどんなものなのかを指摘できるのです。辛口な意見も、より良いモノを目指してのことだと、理解してもらえている」

 実はプロが客観的に見た、体型と服とのバランスについての指摘は、買い物のときに我々が最も必要としているものなのだ。しかしそれを店側が正直に指摘するには、センスと技術と勇気がいる。『SARTO』の馴染みになると、単にリフォームだけでなく、そんなメリットも享受できるのである。

ベテランも若い人も黙々と手を動かす、職人集団!

 バブルはなやかな頃、日本人は人生を3回繰り返しても余るほどの洋服をタンスに溜め込んでいると言われたものだ。捨てる技術や収納の工夫を検討した後に、どうしても捨てられないモノ、思い出の服、高価だけれど着心地の悪い服、これを着るとなぜか商談がまとまる縁起のいいスーツなのに流行遅れ、などをここでもう一度に再生してみるのもエシカルではないか。

 長らくセレクトショップの高級手縫いイタリアスーツのお直しで、最新の服作りのノウハウとセンスを磨き、約5年前に店舗をスタートさせたこの店は、スーツ、コート、ドレスシャツ、ネクタイ、靴、鞄、婦人服などの修理補正を取り扱っている。また最近はオリジナルのオーダースーツ製作を商いに加えた。

 銀座の店舗近くにある工房を見学すると、元テーラーだった熟練の職人から、生きのいい若手や繊細な技術を誇る女性職人まで、技能集団が互いに腕を競い合っている。

 最近筆者の周りにいるお洒落なスタイリストやファッション編集者がここへ通って、とっておきの服をお直してもらっているのも、納得できる光景であった。

問い合わせ/SARTO[銀座店」 03-3567-0016

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遠山周平 [服飾評論家]

1951年、東京生まれ。雑誌編集者、新聞記者を経て服飾評論家に。豊富な経験と知識を元に、“自ら買って、試して、書く”を信条とする。著書に『洒脱自在 おとなとしてシックに服とつきあう本』(中央公論新社)など。趣味の裁縫技術を生かし、捨てないお洒落生活を実践中。

 


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