製造業が“見えない壁”を突破するための
データ活用戦略とは?

目指す将来像に基づくバリューチェーン革新で
壁を突破する

 サイロ化された組織やデータの壁といった課題を解決するためには、何が必要でしょうか。

 まず、企業として目指す将来像を描く必要があります。顧客に対して、どのような価値を提供するのか。そのためには、工場はどうあるべきか。現状のビジネスモデルを見直す必要はないか。こうした問いかけを繰り返す中で、大きな目標が見えてきます。その目標を実現する新たなバリューチェーン構築と必要なデータの定義を進めることで、部門横断の仕組みづくりやデータ統合が必然的に求められるでしょう。ただし実現に当たっては、トップのコミットメントは不可欠です。

 ビジネス変革を推進するうえで、どんなサポートを提供していますか。

 3つのステップに沿って、お客様に価値を提供しています。第1ステップはコンセプト策定です。各企業ならではの価値について考えを膨らませ整理することで、コンセプトを導きます。第2ステップはビジネスモデル策定。そこには戦略モデルとデリバリーモデル、収益モデルの策定が含まれます。第3ステップはプロトタイプ作成。実現性を確認、修正しながらブラッシュアップし、他の製品や部門などに展開していくプロセスです。

 

小さく始めて早期に成果を上げ
徐々に適用範囲を拡大する

 コンセプトやビジネスモデルを策定するうえで、御社の役割はどのようなものになりますか。

 優れた戦略プランをつくっても、現場の人たちが本気にならなければ実行はおぼつかないでしょう。本気を引き出すためには、「自分たちが策定した」という意識が重要です。したがって、外部からの支援はファシリテーションが主軸であるべきと考えています。効率的推進のためのテンプレートと業界動向や技術動向などの材料を適切なタイミングで提供し、ワークショップなど議論の場の活性化を図る。こうして、企業の課題を自分事として考えるメンバーを増やし、熱いパッションを共有するプロジェクトチームづくりをサポートする。そんな推進力を持つプロジェクトチームを、トップが支える形をつくることが重要です。

 変革のテーマが大きくなるほど、時間も労力もかかり、プロジェクトが息切れすることもありそうです。

 だからこそ、小さな成功を積み重ねることが大事です。現状を変えることには、誰しも抵抗感を抱くもの。そんな人たちを説得し、変革を実行するためには大きなエネルギーが必要です。したがって、全体の戦略を推進するために何が効果的かを検討したうえで、インパクトのある部分にフォーカスする。一部の製品、あるいは拠点などに絞り込んで成果を見せ、徐々に広い範囲に拡大していくというアプローチが有効です。

 データの収集・蓄積・分析に必要なコストは急速に低下しており、競争相手のグローバル企業はデータを競争力に転換するための明確な戦略を打ち出しています。日本の製造業も、自社の特性を活かしたデータ活用の戦略が求められています。

●お問い合わせ先
株式会社ISIDビジネスコンサルティング
〒108-0075 東京都港区港南2-17-1
TEL 03-6713-5555 http://www.isidbc.co.jp/
新着
業界
学び
特集
書籍
業界
製造業 銀行・証券・金融 保険 建設・不動産 コンサル・士業 商社 運輸・物流 IT・通信 AI・テクノロジー エネルギー 医療・製薬 食品・農業 小売・外食 サービス・エンタメ メディア・広告 スタートアップ・新規事業 教育 財閥・学閥 予測・分析
学び
経営・戦略 マネジメント ビジネス課題 ビジネススキル 営業・マーケティング マネー・投資 相続・節税 年金 キャリア・働き方 受験・子育て 教養