コロナ危機でも、なぜKDDI DIGITAL GATEにはDX案件が殺到するのか

 このように、コロナ危機という未曽有の環境変化に対して、KDDI DIGITAL GATEが迅速に適応することができた背景には、スタートアップと大企業が共創するオープンイノベーションの場を提供することを通じて、そのエコシステムに参画する企業と強固な信頼関係を築いてきたことがある。

 先述のSynamonは、KDDIがスタートアップ向けに立ち上げたインキュベーションプログラム「KDDI ∞ Labo」(ムゲンラボ)に参加しており、KDDI DIGITAL GATEがKDDI ∞ Laboと緊密に連携してきたからこそ、スピーディーにプロジェクトを遂行することができた。

 さらに補足すると、今年4月以降にKDDI DIGITAL GATEに相談を持ち込んだ企業の多くはリピーターだった。つまり、KDDI DIGITAL GATEでのプロセスを実際に体験したことがある企業が、その体験価値の質の高さと、そのときに実感した信頼に基づいて再度相談を持ち掛けたということだ。これは、あらゆる危機的状況においては、企業同士の信頼関係こそが迅速な意思決定と行動につながるという事実を物語っているといえるだろう。

 「いきなりオンラインのプロセスを体験してもらっても、お互いに対等なパートナーと認識できるような信頼関係がないと、KDDIとお客さまがワンチームにはなれません。KDDI DIGITAL GATEとしても、お客さまと信頼関係を築くことを最も重要視しています」と山根氏は語る。

小さく、素早くサイクルを回し、短い時間軸で成果を出す

 コロナ危機の前からDX推進と新規ビジネス創出に対する課題感があったにもかかわらず、日本ではまだ、その成功事例が少ないといわれる。成功確率を高めるためには、何が必要なのだろうか。その疑問に対して山根氏は、「小さくかつ素早く、構築、検証、改善のサイクルを回して、短い時間軸で成果を出すこと。そのためには、自社だけで考えるのではなく外部の力もうまく組み合わせながら、プロセスを加速させることが重要です」と答える。

 日本の大企業の多くは、企画、開発、設計、運用などを担当する組織がそれぞれ縦割りになっており、ベルトコンベヤー式で開発が進められる。しかし、変化の激しい時代にそうしたやり方を続けていては、世の中のスピードに付いていけない。

「新しい製品・サービスの開発をプロセスごとに分割せず、スモールチームが1日単位、1週間単位の短期間でサイクルを回しながら、試作とテストを繰り返していくことが大事です」(山根氏)

コロナ危機でも、なぜKDDI DIGITAL GATEにはDX案件が殺到するのか

 ウィズコロナの状況下においても、企業がDX推進や新規ビジネス創出で素早く成果を出すことを支援するために、KDDI DIGITAL GATEでは「新規ビジネス創出特別プログラム」を無償提供することを決めた。

 コロナ危機によってプロジェクトが凍結されてしまった企業や、新たなプロジェクト立ち上げのために本格的な予算獲得が必要な企業などのために、KDDI DIGITAL GATEが提供しているプロセスのうち、ワークショップとプロトタイピングを約1週間で実施するものである。これらのプロセスは全てオンラインで提供される。

 「約1週間と短い期間ではありますが、目に見えて動くソフトウェアを実際に開発できると、社内を説得しやすいはずです。担当部門の“スモールサクセス”がきっかけとなり、全社的なDXの推進、新規ビジネスの創出につながることを願っています」。山根氏は期待を込めてそう語る。

 特別プログラムの提供期間は2020年7月から9月までで、実行案件の数は限られるので、興味のある方は一度、問い合わせてみてはどうだろうか。

 さて、ウィズコロナの先、アフターコロナを見据えたとき、既存のビジネスモデルが立ち行かなくなると不安を抱える企業も多いだろう。それに対して、山根氏は次のように話す。

 「ビジネスモデルとは、企業が生み出した顧客価値を持続的に提供するための手段ですから、誤解を恐れずに言えば、後からどうにでもなる部分があります。つまり、ユーザーにとって本当に価値あるものをつくり、ユーザーがそれを使い続けている状態を構築できれば、それを軸としてビジネスモデルは変化させることができます」

 KDDI DIGITAL GATEでの共創によって、ユーザーの真の課題をしっかりと定義し、課題を解決するための革新的な価値を創出することができれば、ビジネスとして成り立つことを山根氏は確信しているのである。

 今後は、KDDIグループとしての強みをさらに生かして、顧客企業をサポートしていきたいという。「KDDIは、ビジネスの根幹である”通信”を最大限に生かした『リカーリングモデル』の構築を支援していくことで、お客さまのDX実現にともにチャレンジしていきたいと考えています。お客さまとよく議論した上で、お客さまの事業に最適なリカーリングモデルを共創していきたいですね」と山根氏。

 昨年6月に開催された「KDDI 5G SUMMIT 2019」において、KDDIは5G時代の社会ではデジタル化が加速し、企業がユーザーのニーズに合わせて継続的・循環的に価値を提供するリカーリングモデルが広がるとした。リカーリングモデルに進化させた新規ビジネスの創出に当たっても、KDDI DIGITAL GATEは共創の場として注目の存在となるに違いない。

コロナ危機でも、なぜKDDI DIGITAL GATEにはDX案件が殺到するのか
●お問合せ先
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TEL:0077-7007
TEL:0120-921-919
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