また、BPOでは人手によるプロセスの効率化だけでなく、ITの使い方も大きなカギを握る。同社はシステムに蓄積されたデータを基に、継続的なプロセス改善を行っているという。

「コールセンター事業では、システムから取り出したデータを業務改善に生かすだけでなく、オペレーターが対応した顧客の声を新商品企画に生かすといった取り組みも行っています。BPOサービスでも同様。膨大な業務データを分析した上で、改善の具体策を提案しています」

 さらに、同社はコンサルティング会社とアライアンスを結び、顧客への提案力を高めている。

「コンサルティング会社と当社のノウハウを組み合わせることで、経営戦略レベルの提案からオペレーションの実行までをトータルでサポートする体制が強化されました。当社の強みであるオペレーションとオペレーションマネジメントの能力を、これまで以上に説得力を持って、お客さまに提案できるようにもなりました」

中国・大連の拠点を拡張し
拡大するニーズに対応

 企業がもしもしホットラインのBPOサービスを採用する理由には、人材配置の最適化や経営スピードの向上もあるという。

図2 もしもしホットラインのBPOサービス 国内のニアショア拠点、アジアのオフショア拠点の中から、BPOの対象業務に応じて最適な拠点を選択できる。例えば、言語に依存しない業務であれば、ベトナムやタイなどが適している。あるいは、日本語が必要な業務であれば、中国・大連のオペレーションセンターで対応可能だ。こうしたオフショア拠点の司令塔として、ニアショア拠点を活用することもできる。
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「間接業務を外部化して、その人員を新規事業などに再配置するといったBPOの活用法があります。これにより、スピード感のある事業展開が可能になります。企業全体の人材ポートフォリオを、戦略的に再構築しようという狙いです」

 現在、企業のオフショア活用に対するニーズは拡大している。これに対応し、もしもしホットラインはアジア地域の拠点展開を急ピッチで進めている。

「中国・大連のオペレーションセンターは現在70席ほどの規模ですが、今秋には400席に増やします。タイやベトナムの拠点でのBPOサービスにも、多くの問い合わせをいただいています」と岡本氏は打ち明ける。

 こうした海外拠点で働く人たちのスキルは向上しており、受託する業務の種類も増えている。それは、コア業務に近い領域にも広がっているという。こうした手段をいかに使いこなすかが、企業には問われている。

「BPOサービスの提供、あるいはBPOを通じたプロセスの最適化で、お客さまの成長を支援する。それが当社の役割です」と岡本氏。同社はその支援力、提案力をさらに高めようとしている。