顧客が求める砂を調達して提供するルナサンド。強固なロジスティクスを背景に、青森の採砂場から高品質の「ルナサンド」を全国に配送している。近年は物流事業を拡大し、福島の震災復興の現場でも活躍。衛生管理事業も開始し、サスティナブルな未来を見据えた事業にも取り組んでいる。

サスティナブルな社会を見据えて砂の事業を拡大する青森県六ヶ所村にある面積23万㎡(東京ドーム8個分)、埋蔵量800万㎥

 砂に付加価値をつけて販売する。そのルナサンドのビジネスモデルは、砂の業界に革命を起こした。創業は2001年。それまでの業界では、手間をかけずに砂を売ることが一般的だった。同社の考えは、業界の常識を打ち破るものだった。「お客さまが求める品質の砂を調達して加工し提供するという、顧客目線を取り入れたのです」と原田路子社長は振り返る。

サスティナブルな社会を見据えて砂の事業を拡大するルナサンド
原田路子 代表取締役

 社名にもなっている「ルナサンド(青森砂)」は、もともと天然の浸透水で洗われ、塩分を含まない良質な砂である。その高品質の砂を、用途に合わせて精製し加工する。粒度・粒形・色合いに優れた砂。当初は、競馬場のダートやゴルフ場で圧倒的なシェアを獲得した。

 その後、ルナサンドは青森県に豊富な埋蔵量を誇る採取地(東京ドーム8個分)を確保し、安定した加工・精製を行うためのプラントや、欠品を起こさないためのストックヤード、速やかな全国配送のため陸上・船舶を使用したネットワークを構築した。さらに工業、建築向けに需要が高い「焼砂」の工場も開設。商品開発にも力を入れ、アライアンス会社協力の下全国で広く愛用されるようになった。