「コンサルティングファームを使いたいけれど、予算がない」「フリーのコンサルタントに頼むと、途中でギブアップされてしまうのではないかと心配で……」。そんな悩みに応え、企業の事業創出やDXをリーズナブルに支援してくれるのが、3000人を超えるコンサルタントや技術者、開発者などが登録するビジネスクリエーターズだ。
ビジネスクリエーターズは、講演イベントや研修、勉強会などを行う団体として2004年に創業。その目的は、「ビジネスを通して新たな感動を生み出せるビジネスクリエーター」たちを輩出することにあった。
「新しい仕事、新しい事業、新しい市場を生み出せる人が増える社会は、豊かで楽しい社会であると信じ、そのために人を変えることに力を入れてきました。その目的は今も変わっていませんが、ビジネスクリエーターとしての成長速度に焦点を合わせると、受け身の勉強よりも現場の課題解決に直接携わってもらう方が格段に速いと考え、コンサルティングやシステム開発の受託サービスに事業を転換しました」と語るのは、代表の野村和生氏である。
野村和生 代表
プランニングからシステム開発まで、
全てワンチームで
講演イベントや研修、勉強会に参加した人材をベースに、今では3000人以上のコンサルタントや技術者、開発者といったビジネスクリエーターたちが登録。クライアント企業の求めに応じて適切な人材を選抜し、チームを編成して課題解決を支援する。
「さまざまなバックグラウンドや専門性を持った人材が登録しているので、新規事業のプランニングから仕組み作り、システムの開発・運用まで、全ての流れをワンチームで請け負うことも可能です。個人のコンサルタントや技術者に頼むと、その人の経験や技能によってできることの範囲が限られてしまいますが、それぞれの得意分野などを踏まえて一つのプロジェクトを複数名のチームで請け負うので安心です」(野村氏)
また、社内に人材を抱えることなく、登録した外部人材でチームを編成するので、一般的なコンサルティングファームやSIer(システム開発会社)に比べてリーズナブルに、質の高いサービスを提供できるのも強みだ。
登録者は、フリーランス(副業含む)でコンサルティングやシステム開発を行うコンサルタントやエンジニア、デザイナーなどさまざま。リモートワークの普及によって、地方の優秀な人材が選抜されるケースも増えているという。
フリーランスの場合、担当する案件で成果を出せないと次の仕事がなくなるという適度な緊張感の中で働くので、自律的でプロ意識が高く、細かく管理されなくとも仕事をやり遂げる人材がそろっているそうだ。
「これまでにご支援させていただいた業種もさまざまですし、大手企業からスタートアップまで、企業規模も特に定めないようにしています。新規事業の立ち上げ、推進の支援や、ウェブサービス・システム開発などの実績が比較的豊富ですが、それ以外の領域でも、私たちがお役に立てる内容であればご支援します」と野村氏は語る。
クライアント企業にも
変革のマインドを広げたい
具体的なサービス例の一つとして野村氏が挙げたのが、自動車部品メーカーの設計におけるAI活用の支援だ。3D図面に含まれる部品の形状特徴をAIが解析し、製造過程でどんなノウハウがあるか、どんな不具合が出やすいのかといったことを可視化するシステムの開発を支援した。
「技術の進歩とともに、AIなどの最新テクノロジーに対応できる人材へのニーズは高まっており、登録者の幅を広げることで要望に応えています」と野村氏は説明する。
例えば、業務用化粧品メーカーのイフイング(https://www.ifing.com/)からは、人気商品を自社EC(電子商取引)サイトで消費者に直販する新規事業の支援を請け負った。
同社が提供する業務用化粧品は、中間流通業者を通じて全国のヘアサロンに卸し、消費者はヘアサロンで利用していた。DtoC(ダイレクト・ツー・コンシューマー、消費者への直販)を行うとヘアサロンの収入が奪われてしまいそうだが、ユーザーにECサイト上で「普段はどこのサロンを利用していますか?」というアンケートに答えてもらうことで、ユーザーが支払った金額の一部をサロンに還元する仕組みを取り入れた。
野村氏は、「コロナ禍でサロンに行く人が減った中で、直販の仕組みを取り入れました。DtoCへとシフトしたことがメーカーとサロン双方の売り上げを下支えする結果となりました」と振り返る。
美容業界の他事例では、インベードにおける、展示会をオンライン化するプロジェクトを支援した。グローバルで行われている展示会は出展費用やブースの準備、商品の運送費、宿泊・交通費などの負担も大きい。オンラインなら、出展者も来場者も費用を格段に抑えることができる上に、自社のサービスや商品を24時間365日、いつでもプレゼンテーションすることができ、好きなタイミングで商談を行えるのもメリットである。
「DX推進の典型的な例だといえます。単なるシステム開発の枠を超え、これまでのビジネスの在り方を根底から変えたいというお客さまのニーズにお応えしたものです」と野村氏は語る。
こうした支援を通じて、登録者にビジネスクリエーターとして活躍できる場を提供するだけでなく、「クライアント企業にも変革のマインドを広げたい」というのが野村氏の願いだ。その意味でも、他のコンサルティングファームに頼む以上の価値があるだろう。