同社の玉井孝直氏は、「人が寝たきりになってしまう要因の1位は脳卒中といわれています(※1)。また、不整脈の一種である心房細動は、推定で約100万人の患者さんがいらっしゃる(※2)といわれていますが、適切に治療をしないと脳梗塞の原因にもなってしまいます」と話す。
そこで、さまざまなメディアを通じて、スマートウオッチで心房細動の兆候を把握し医療機関に相談するアプローチも紹介しているという。また長い人生を充実して生きるためには“痛み”は解消したいもの。9月20日の「敬老の日」には、関節や背骨の痛みで悩む人に向けた応援メッセージとして、ウェブ動画「あたりまえを、あきらめない。」を公開し、疾患の啓発を行っている。
玉井氏はまた「日頃からドクターにお話を伺う機会が多くありますが、昨今は、健康診断やがん検診の先延ばしや、不調があったのに受診を控えてしまったために、早期であれば手術で治せたはずの疾病が手術適応外になってしまうなど、『健康になるチャンスを逸してしまった患者さんが増えている』という話をよく耳にします」と指摘する。
同社の啓発活動は全て専門家である医療従事者と連携しながら推進されている。コロナ禍での受診行動に関する調査は複数実施されているが、同社の調査ほど大規模で、かつ啓発活動にまでつなげている例は珍しいだろう。
※1「2019年 国民生活基礎調査の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/dl/05.pdf
※2「Inoue H, et al. Int J Cardiol 2009;137:102-107.」
80年受け継がれる企業理念、「我が信条」の存在
コロナ禍によって各産業でデジタルトランスフォーメーションが加速している。同社でも、例えばデジタルテクノロジーを活用して外科医向けの教育プログラムがさらにアクセスしやすくなるよう取り組んでいる。「経験豊富な医師があたかも隣にいるかのような環境で手術の遠隔指導が受けられるシステムも提供しています」(玉井氏)。
また同社は社内でも、社員の健康管理を「経営戦略の一環」と位置付けて注力している。
こうした医療従事者、社員、さらには社会全体にまで厚く寄り添う同社の活動の根底にあるのは「我が信条(Our Credo)」と呼ばれる企業理念だ。
我が信条は約80年前から同社の価値観として受け継がれてきた判断と行動の「羅針盤」となる経営理念だ。そこには顧客、社員、地域社会、株主という四つのステークホルダーに対して果たすべき責任が明記されている。「トップから現場の社員に至るまで真剣に実践している」(玉井氏)ものだ。
実際、「我が信条」はビジネス界では有名で、その理念と徹底ぶりは他社や他業界からも高く評価され、参考にされている。
玉井氏は「今後もヘルスケアカンパニーの使命として、人々が健康で幸せに長く生きていくために、早期発見から治療まで、適切なタイミングで必要な行動を取れるよう、新しいテクノロジーとイノベーションで支援していきたい」と強調した。
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