医療機器業界3社について、対象期間における増収率(前年同期比)は、以下の通りだった。
各社の状況を詳しく見ていこう。
テルモ
22年1~3月期における売上収益は1798億円、前年同期比増収率は8.8%だった。
この3カ月は同社の22年3月期第4四半期に当たり、12カ月間の累計売上収益は7033億円(前年同期比14.6%増)。第3四半期までの累計売上収益は5235億円(同16.7%増)だった。
四半期増収率(前年同期比)は、20年10~12月期(21年3月期第3四半期)から6四半期連続でプラスとなっている。
地域別の通期売上収益は、日本(2061億円、前年同期比2.2%増)、海外(4972億円、同20.6%増)ともに前年同期比で増収だった。好調だった海外では、TIS(カテーテル)事業や、脳血管の病気に対するカテーテル治療製品を扱うニューロバスキュラー事業などが拡大し、増収に貢献した。
また、「コロナ前」である19年3月期の通期売上収益は5995億円であり、当時と比べた22年3月期の通期増収率は17.3%に上る。
※日本で新型コロナウイルス感染拡大が始まったのが20年1月であることから、それ以前の19年3月期を比較対象とした(以下同)。
前述のTIS事業を含む「心臓血管カンパニー」は、コロナ禍の影響で21年3月期に通期で減収となっていた(3285億円、前年同期比6.3%減)。22年3月期に、そこからV字回復(3971億円、同20.9%増)を遂げたことが、全社での成長につながった。
オリンパス
22年1~3月期における売上高は2391億円、前年同期比増収率は10.2%だった。
この3カ月は同社の22年3月期第4四半期に当たり、12カ月間の累計売上高は8689億円(前年同期比18.9%増)。第3四半期までの累計売上高は6298億円(同22.6%増)だった。
セグメント別に見ると、「その他」を含む全事業が通期での増収をけん引した。
・内視鏡事業(4615億円、前年同期比17.2%増)
・消化器科・泌尿器科における処置具などの治療機器事業(2756億円、同18.9%増)
・工業用顕微鏡などの科学事業(1191億円、同24.2%増)
なお、オリンパスは21年1月に、不振が続いていた映像事業を国内ファンドに売却。21年3月期第2四半期から、映像事業を非継続事業に分類している。
そのため、以下の四半期増収率(前年同期比)の推移グラフについては、同じ基準で売上高を比較することが可能な21年3月期第3四半期以降を掲載している。四半期増収率(前年同期比)は、グラフに示した6四半期全てでプラスとなった。
また、オリンパスの22年3月期の通期売上高は、映像事業を有していた「コロナ前」の19年3月期実績(7939億円)と比べても9.4%の増収となった。1936年に参入した伝統ある映像事業と決別し、医療機器分野に経営資源を投入する「選択と集中」は、現時点では奏功しているといえる。
シスメックス
22年1~3月期における売上高は1049億円、前年同期比増収率は12.5%だった。
この3カ月は同社の22年3月期第4四半期に当たり、12カ月間の累計売上高は3638億円(前年同期比19.2%増)。第3四半期までの累計売上高は2589億円(同22.2%増)だった。
四半期増収率(前年同期比)は、20年10~12月期(21年3月期第3四半期)からテルモ、オリンパスと同じく6四半期連続でプラスとなっている。
地域別の通期売上高は、日本(597億円、前年同期比13.4%増)、海外(3040億円、同20.5%増)ともに前年同期比で増収だった。日本ではメディカルロボット事業における機器販売、海外では尿検査や血液凝固検査に関する試薬の売り上げなどが堅調に推移した。
シスメックスも「コロナ前」からの成長が著しく、22年3月期の累計売上高は、19年3月期実績(2935億円)から23.9%の増収となった。この3年間では海外事業が23.4%の増収(2464億円→3040億円)と大きく伸び、成長の原動力となった。



