「あそこならやりかねませんねぇ」なんていう声も上がっている。
4月19日、公正取引委員会がドラッグストア「ダイコク」に独占禁止法違反の疑いで立ち入り調査を行った。同社が納入業者に対して売れ残った在庫商品の返品を強要したことが独占禁止法に定める優越的地位の乱用に当たる、と判断したものである。
ダイコクといえば、「元気、激安、特売セール」を謳い文句に掲げ、急成長したドラッグストアだ。発祥地の大阪府を中心に北は北海道から南は沖縄まで店舗を広げ、とくに大阪市民なら知らない人はいないというほど有名。何しろ、10年ほど前、大正製薬の製品の納入原価を公表して、原価販売を行ったことで知られている。消費者は「リポビタンD」を安く買えると大喜びだったが、周辺のドラッグストアや薬店、コンビニエンスストアなどを慌てさせたばかりか、製造販売元の大正製薬も困惑。周辺のドラッグストアや薬店から泣きつかれたからとも言われているが、大正製薬が原価販売の差し止めを求める訴訟を起こす騒ぎに発展したこともある。
その訴訟はダイコク側の完勝で終わったが、今回の公取委の立ち入り調査で、さてはダイコクの急成長の裏には返品操作があったのかと疑う人もいれば、窮余の一策だったという説もある。