千葉県内屈指の進学校として知られる。独自のカリキュラムと意欲を高める教材、充実した補習・講習で学力を伸ばし、丁寧な指導で将来への意識を高め、進路の可能性を広げる。部活動や芸術鑑賞など、多彩な経験を積む機会もあり、主体性や自立心も育む。
鈴木政男 校長
昭和秀英は三つの実践目標を掲げている。意欲を引き出す「質の高い授業」、将来への意識を高め実現に導く「きめ細やかな進路指導」、明るく伸び伸びした人間性を育む「豊かな心の育成」。これらの目標にたがわない手厚い取り組みが、目を引く。
授業は6年間で「基礎」「応用」「発展」と段階的に学んでいく。総合学習では、中1でビブリオバトルを開催したり中3で探究学習プログラム「クエストエデュケーション」に取り組んだりするなど、主体性や問題解決能力を育む授業にも積極的だ。始業前には朝学習、放課後の補習もほぼ毎日あり、長期休業中の講習(選択制)は基礎学力の定着から志望校対策まで細かくそろえる。受験を控えた高3対象のものは約60に上る。「塾には行かず、学校の講習と部活動を両立させて希望の大学に入る生徒もいます」と鈴木政男校長は語る。
大学への意識付けにも早くから取り組む。その年の卒業生全員が受験の体験談や後輩へのアドバイスをつづった「進路の手引き」を毎年作成、保護者会で配っている。高3時の模試の成績推移と合格結果が追跡できる匿名データも掲載する徹底ぶりだ。「高3で読み始めるのではなく、高1から読んでくださいと呼び掛けています」(鈴木校長)。
中1での「職業インタビュー」をはじめ、一線で活躍する人を招く「進路講演会」や「進路ガイダンス」も提供している。多様な進路に触れた生徒が自分のキャリアを意識し、高い目標に向かおうとする意欲を引き出している。手厚い支援の成果もあり、今春の現役の大学合格者は、東大、京大、東工大、旧帝大を含む国公立大が89人、早慶上理が243人、医学部も国公立5人、私立18人の計23人に上った。
多彩な行事と日々の目配りが育む豊かな人間性
行事や部活動などを通じ、豊かな心を育む場も充実している。コロナ禍でも機会を確保しようと、昨年の中3の修学旅行は時期を見計らって滋賀へ。留学生と数日過ごす語学研修も開いた。本物に触れられる「芸術鑑賞教室」も、今年4月に予定通り開催。生徒たちはミュージカル公演を楽しんだ。「こうした活動や体験は、生徒や教員とのつながりを育む貴重な機会です。感染対策を講じ、できるだけやっていきたいと思っています」(鈴木校長)。
鈴木校長は週1度、中高全クラスの学級担任や学年会議、養護教諭の日誌などの記録全てに目を通し、生徒一人一人の様子を把握しているという。「学級担任と養護教諭とでは、生徒の捉え方が違うので、多面的に状況を把握しています。継続して見ているので、相談や報告にも経緯を踏まえた助言や対応ができるのです」(鈴木校長)。
学習面の手厚さと生活面の細かな目配りが、勉強にも活動にも全力で取り組む生徒の意欲や成長を引き出し、県内でも有数の進学実績に結び付いている。