京華学園は2024年度、京華女子中学・高等学校(女子校)の白山キャンパスへの移転により、京華中学・高等学校(男子校)、京華商業高等学校(共学校)との3校ワンキャンパスとなる。相互交流の機会を増やし、新しい時代へさらなる進化を遂げる。
町田英幸校長
京華中学・高等学校は、学習・生活両面から生徒一人一人を見守り、それぞれが持つ興味・関心を大切に育てることに定評がある。男子校ならではの強みとして、「異性の目を気にせず興味・関心のある分野に躊躇(ちゅうちょ)なく没頭し、好きなことを好きだと主張できる環境がある」と、町田英幸校長。「共学であれば周囲から浮いてしまいがちな分野であっても、男子校ではその分野の『博士』です」と笑う。教員たちは生徒の好奇心を尊重し、その発露を後押しすることで、生徒たちは自己を主張し、伸び伸びとさらに深い学びへとまい進していくという。これらの的確な後押しが、同校の質の高い「面倒見の良さ」の本質なのだ。
また、学校行事はコロナ禍でも、感染対策を徹底の上、試行錯誤しつつも行った。
「宿泊行事の開催は正直迷いました。しかし宿泊行事を通じて得られる経験は、周囲との人間関係構築の上で不可欠ですし、家族と離れた環境は、より多くの気付きを得られる貴重な機会。何としても経験させたいという思いで決断しました」と町田校長。男子はさまざまな体験学習を通じて得た成功体験から〝やればできる〟と飛躍的に能力を伸ばす傾向が強い。同校行事には人格形成、能力開花の狙いもあるのだ。
どんな状況でも前向きに取り組む「ネバー・ダイ〈不撓不屈(ふとうふくつ)〉」を校訓にする同校。あふれる好奇心や体験教育を通じた成功体験を大切にする真摯な姿勢が進学実績にもつながり、生徒たちに「ネバー・ダイ」の精神を深く根付かせている。
2024年度、女子校も白山新校舎へ
京華女子中学・高等学校は再来年、京華中学・高等学校と同じ白山キャンパスの新校舎へ移転する。「ワンキャンパスになることで、別学と共学双方の良い部分を取り入れることが可能になります」と語るのは同校の塩谷耕校長だ。例えば、英検の準1級対策講座や探究学習といった学習面の他、文化祭、生徒会活動なども男女合同で実施予定だ。女子と男子では得意分野が違う傾向が強い。英語の例でいえば、女子は言語能力が高くリスニングやスピーキング力に優れ、男子は文法、語彙力に優れている。塩谷校長は男女合同の機会を得ることが「互いの優れた点を知ることがいい刺激になっているのは間違いありません」と明かす。
一方、女子校ならではの良さである「共感力の高さ」はこれまで通り大切にしていく。
「本校には誰かが失敗しても『大丈夫だよ』と声を掛け、思いやる雰囲気があります。これは失敗を恐れずに挑戦する生徒の力にもつながっています」(塩谷校長)
知を高め、視野を広げ、共感力を備えた賢い女性の育成を目指す同校。ワンキャンパスの新たな環境で、心と心の響き合いを大切に、その共鳴をさらに広げていく。