超軽量化で3Dデータを
どこでも、いつでも、誰でも
顧客接点にも3Dデジタルツインを活用することを提案していますね。
たとえば、カスタマイズ型の製品では、実機は顧客のところにあります。その実機にIoTセンサーをつけて稼働状況をモニタリングすれば、3Dデジタルツイン上で実機では何が起こっているのか確認できます。コロナ禍で客先まで保守要員が出向けなくても、リモートで故障の原因や修理方法を伝えられます。機械が壊れないように運用するアドバイスや壊れる前に部品を交換するといった故障予防など、新たなサービスの開発にもつながります。
3Dデータは誰にでもわかりやすく、使いやすいのが大きなメリットですが、製造業では高い精度が求められるため、精度を上げるほどデータ量が増大するという欠点があります。たとえば、3D CADですべての部品を設計すると、車1台でデータ量は20ギガバイトにもなり、CADでは表示すらできなくなります。その欠点を解消するために超軽量化を実現したのが、当社が開発した3Dフォーマット「XVL」です。
XVLは3D CADデータを最大1000分の1ミリの精度で、100分の1程度に軽量化できるので、現場のタブレットやスマートフォンを使って、インターネット経由で3Dデジタルツインを活用することが可能です。複数の部品表や部品の組み立て順序といった情報もXVL内に持てるので、3Dデータを「どこでも、いつでも、誰でも」活用できるようになります。
部品情報にコストや重さの情報をひも付けておけば、実機では見ることができないコスト構造や重量も一目でわかるので、原価低減や製品の軽量化にも活かせます。
実機では見えなかったものを3Dデジタルツインによって「見える化」し、ぜひものづくりのDXを進めていただきたいと思います。
制作|ダイヤモンド社ブランドコンテンツチーム
鳥谷浩志氏の著書『製造業のDXを3Dで実現する~3Dデジタルツインが拓く未来