リモートワークにはメリットも多いが、社員同士の直接的なコミュニケーション不足による帰属意識の低下をはじめ、さまざまな問題を生み出している。一方「人的資本経営」や「健康経営®」の重要性が叫ばれる中、社員のエンゲージメントや創発力を高めることが企業の業績向上と成長に欠かせないという認識も広がっている。その課題解決の一助として注目されているユニークなサービスがある。その名も「ONSEN WORK」。その驚きの効果を紹介する。
DXが重視される時代に、なぜ「温泉」で合宿するのか
コロナ禍によって多くの企業は、リモートワークを多様な社員に適用することで事業の継続性を担保してきた。しかし、リモートワークの定着によって、「組織内でのコミュニケーション不足」「メンタルヘルス不調の増加」「社員の成長機会の減少」などを指摘する声も多く聞かれる。
これらの問題は経営の最重要課題と言っても過言ではない。生産年齢人口の減少や人材流動化によって人材の確保が困難になる中、経営層にとって「人的資本経営」や「健康経営」、「従業員エンゲージメント向上」は優先順位の高いテーマであり、社員がストレスなくモチベーションを維持して働けるようにし、成長を促すことが企業業績に直結する。
また現場のチームにとっても、リモートワークで直接的なコミュニケーションの機会が減少する中で、全体の目標をいかに共有してベクトルを合わせ、チーム力を高めていくかが重要となっている。
「オンライン会議は効率を重視したコミュニケーションになりがちで、じっくりと考え議論を深めることができない」
日立製作所の社会プラットフォーム営業統括本部第二営業本部でも、リモートワーク普及に伴うそんな課題を抱えていた。そこでこの部署が課題解決のために選んだのが、温泉での企業合宿を提案する「ONSEN WORK」だった。温泉合宿とは、何やら古き良き昭和の香りが漂ってくるが、これが閉塞感を吹き飛ばす絶大な効果をもたらしたという。
次ページからは、「ONSEN WORK」の具体的な中身や得られる効果を、日立製作所の取り組みとともに紹介する。
*「健康経営®」はNPO法人健康経営研究会の登録商標です。