関西の志望校選びが激変
灘中をはじめ難関校が復活
日能研関西の森永直樹取締役によれば、「日能研でいう偏差値60以上の難関校と、同40以下の入りやすい学校の受験者が増えた」と言う。
まず、後者の入りやすい学校については、新型コロナウイルスの感染拡大が大きく影響しているもようだ。
「コロナ禍に見舞われる中、私立が即座にオンライン授業に切り替えたことを見て、今まで私立に関心がなかった層が動いた。設備やカリキュラムが整っており、1年で準備できる比較的入りやすい学校が伸びている」と森永氏。
また、入りやすい学校の中には、意外にいい大学への推薦枠を持っている学校もあるため、そうした学校を探し出して受験する層も一定の数が見られたという。
次に、難関校については、昨年の大幅減から見事にV字回復。トップクラスの名門校が軒並み志願者数を増やしている(下表参照)。
とりわけ、西の最高峰、灘中の志願者数は745人となり、前年から92人増えたことで、増減率でトップに躍り出た。コロナ禍の終息により、全国各地からの越境受験が復活したためだ。
灘中の受験者が増えたことで、併願先となることが多い洛南高校附属も志願者数が増加した。他にも、甲陽学院や神戸女学院、東大寺学園などが大幅増となっており、昨年までの安全志向から一気に強気の受験に戻ったといえる。
なお、意外なところでは、北野高校や天王寺高校といった超進学校を擁する公立王国の大阪で、中学受験が増えている点だろう。
「北野や天王寺などトップ校の文理学科が非常に難化しているのに加え、大阪市内にタワーマンションが林立したため高所得者層が増え、私立の中高一貫校の6年間でゆったりと育てたいと考える親が増えている」と森永氏は言う。
24年入試は、大阪も含めてさらに激化することは必至だ。
お得な中高一貫校を探せ!
関西の総合ランキング
中学入試時の偏差値は入りやすいのに大学受験にはめっぽう強い――。
そんな“後伸び”する、お得な中高一貫校を探すため、大学通信の協力を得て、6年前の2016年度に中高一貫校に入学した生徒が、22年度にどこの大学にどれだけ合格したのかを調べ、各校のお得度を探る「レバレッジ度ランキング」を作成した。
ただし、6年前に比べると中学への入学時偏差値がすでに上昇した中高一貫校もある。当然、今も偏差値がインフレしていない、隠れた高レバレッジ度の学校を探す方が望ましい。そこで、新小学6年生が受験する24年入試の受験校選びに役立てるべく、直近の入学時と卒業時の偏差値の回帰分析による「学力伸長度」を算出。「首都圏」「関西圏」「東海圏その他」のエリアごとに、レバレッジ度ランキングを作成した。
その上で、首都圏と関西圏は「入学時偏差値60以上(難関校)」「入学時偏差値50~59(上位校)」「入学時偏差値50未満(中堅校)」の3種類をランキング。東海圏その他は「入学時偏差値55以上(難関校)」と「入学時偏差値55未満(中堅校)」の2種類を用意した。
注意点としては、中高一貫校の中には、特進コースを設けたり、高校から入学できたりする学校もあること。そのため各ランキング上位校であっても、実態として特進コースや高校入学者が大学合格実績をけん引する学校もあるので、各校の説明会などで確認してほしい。
では、「関西・中堅&上位&難関校」のランキングを見てみよう。おそらく一般的な知名度とは異なる、意外な顔触れになっているはずだ。
●学校名の横の(公)は公立、(国)は国立であることを示す。他は私立。
●中高一貫校の6年前の入学者の実績である卒業時偏差値と、現在の入学時偏差値について、回帰分析を行った。これにより、入学後に学力が伸びる可能性が高く、かつ現在も入学難易度がインフレしていない「学力伸長度」を求め、エリア別にランキングした。
●入学時偏差値60以上の難関校、50以上60未満の上位校、50未満の中堅校に分けてそれぞれランキングした。
●「入学時偏差値」
日能研の中学入学偏差値を使用。合格可能性80%を目安としている。2016年の偏差値については、首都圏は16年予想偏差値、関西圏と東海圏その他は15年結果偏差値。22年については、首都圏が22年7月14日発行の予想R4、関西圏が22年7月25日発行の予想予想偏差値、東海圏その他が22年5月発行の予想偏差値。日程や方式により複数の偏差値がある場合、最も低い偏差値データを採用した。データがない学校は掲載していない。よってランキングの対象からも除外した。
●「卒業時偏差値」
難易度は、駿台予備学校の「第2回駿台atama+共通テスト模試」(A判定ライン・合格可能性80%)の全データから2部・夜間主コース、私立大学共通テスト利用入試を除いた難易度の平均を学部平均難易度とし、その平均値を各大学の平均難易度とした。ただし、共通テスト利用入試のみの私立大学は共通テスト利用入試のデータを使用した。高校からの合格者数と大学の平均難易度の加重平均から「卒業時偏差値」を算出した。計算式は以下の通り。
卒業時偏差値=(A大学合格者数×A大学難易度+B大学合格者数×B大学難易度+…)÷(A大学合格者数+B大学合格者数+…)
●駿台予備学校、日能研は基データの提供のみ。
●「学力伸長度」
回帰式によって求められる現在の入学時偏差値に対する卒業時偏差値の理論値と、実際の卒業時偏差値の差が学力伸長度である。中高6年間での実績と現在の入学時の難易度を加味したもので、計算式は次の通り。
学力伸長度=「卒業時偏差値(2022年度)」-「回帰式によって求められた中学入学時偏差値(22年度)に対する卒業時偏差値の理論値」
●順位は小数第2位以下を加味している。
●大学合格者データ
高校別大学合格者は大学通信調べ。大学合格者数は、大学発表と高校への調査による判明分。大学の公表値には、内部合格者や推薦などの人数を含んでいないことがある。高校調査数は、既卒生など一部不明のことがある。未集計や非公表の学校や判明した大学合格者数が卒業生数よりも少ない学校は掲載していない。よってランキングの対象からも除外した。
※「その他名門国立大学」には次の大学を選定。北海道大学、東北大学、名古屋大学、大阪大学、九州大学、東京工業大学、一橋大学、東京外国語大学、お茶の水女子大学、横浜国立大学、筑波大学、神戸大学。「早慶上理」は早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学。「GMARCH」は学習院大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学。「関関同立」は関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学
協力/大学通信
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