2024年入試対応!わが子が伸びる中高一貫校&塾&小学校#26Photo:PIXTA

湾岸タワマンの住民といえば、高年収ビジネスパーソンやパワーカップル、医者や弁護士であり、中学受験に最も熱心な層といっても過言ではない。特集『わが子が伸びる中高一貫校&塾&小学校』(全29回)の#26では、「タワマン×中学受験」の実態を「タワマン文学」の先駆者で、今年『息が詰まるようなこの場所で』(KADOKAWA)を上梓した、「窓際三等兵」改め外山薫氏が激白する。(聞き手/ダイヤモンド編集部編集委員 藤田章夫)

MARCHじゃ肩身が狭い、最低でも早慶」
タワマン住民の中学受験の実態

――タワーマンションに住む人々の悩みや葛藤をツイッターなどのSNSで書き、話題となった「タワマン文学」ですが、その先駆者である窓際三等兵氏が、作家名を「外山薫」に変えて、『息が詰まるようなこの場所で』(KADOKAWA)を上梓されました。反応はいかがですか?

 ツイッターでバズり(話題になる)やすいのが、タワマンいじりや中学受験ネタなんです。昔、塾講師をしていたときに、合格数など数値で一喜一憂する人がいるのは面白いなと思っていました。肌感覚ですが、タワマン住民も坪単価などにこだわる人が多くて、どこか似ています。

 読者は大きく2種類いると思っています。一つ目はタワマン住民を知っている人で、40、50代でいい会社に勤めていて住宅ローンを組んでいるような層で、親近感を持ってくれています。二つ目は、東京ってこういうふうになっているんだと、これを読んで知った層ですね。

作家・外山 薫とやま・かおる/1985年生まれ。慶應義塾大学卒。大手メディアの記者を経てIT企業に転職。2022年から兼業作家として活動開始。名前はペンネーム。2023年1月に『息が詰まるようなこの場所で』(KADOKAWA)を上梓。 Photo by Akio Fujita

――タワマンは特殊な世界ですね。

 一昔前まではそこまでタワマンの価格は高くありませんでしたが、価格高騰により住民は一流企業勤めのピカピカな層が増え、年収1000万円は当たり前。東大卒の親がごろごろいるような世界で、すごいなと思います。

 そうした住民が多いので、中学受験に対してツイッターの世界では、「最低でも早慶、MARCHだと肩身が狭い」といわれています。

――タワマンに住んでいると、中学受験しなければいけないという圧力が強いと聞きます。

次ページでは、なぜタワマン住民に中学受験させる親が多いのか。その理由に加え、中学受験に駆り立てられる子どもたちの実態について、外山氏に赤裸々に語ってもらった。