2021年入試で、西の王者、灘中学が受験者数を大きく減らすという珍事があった関西。その中学受験塾関係者の間でささやかれているのが、22年入試への「首都圏の中学受験ブームの関西到来」だ。特集『最強の中高一貫校&小学校・幼児教育』(全18回)の#8では、関西の最新中学受験動向と共に、入学時の偏差値と卒業時の偏差値を基に算出した、入りやすいがその後伸びるレバレッジ度ランキングの【関西版】を掲載する。(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰、竹田孝洋)
首都圏の中学受験ブームが
2022年入試に関西到達か
新型コロナウイルスの感染拡大も一因となり、首都圏では中学受験ブームとも呼べる状況が起きている(本特集の#1参照)。ところが、2021年入試において、首都圏に次ぐ巨大な中学受験市場、関西では対照的な動きが見られた。
日能研関西のまとめによれば、21年入試における関西(2府4県)の中学受験者数は、前年から116人減となる1万7079人となっている。
「1年前の各大手進学塾の5年生の生徒数の分析から、21年入試の受験者数はむしろ微増するものとみられていた。予想が外れた背景には、コロナ禍の影響があるとみている」と言うのは、日能研関西の森永直樹取締役だ。
また受験率に目を転じると、卒業生数そのものが減っているため、受験率は9.64%と前年と全く同じとなった。20年入試までは受験率が徐々に上昇していたため、高止まりとはいえ“足踏み”状態になったわけだ。こうした首都圏との違いについて、森永取締役は「首都圏に比べると、関西の方が経済的な影響も大きく、新型コロナに対する恐怖感も根強いことがあるのではないか」とみる。
その関西の21年入試におけるコロナ禍の影響と考えられている異変は、大きく3点に集約される。