共栄学園の歴史は1938年の裁縫女子学校に始まる。その後、中学校の併設や男女共学化などを経て、現在は学業やクラブ活動で高い成果を上げる文武両道の一貫校へ成長を遂げた。来年度から高等学校で新コース編成がスタートする。
増村 薫広報部長
創立者が唱えた「至誠一貫」を建学の礎としている。その意味は、至高の誠実さの心を一生涯貫くこと。困難があっても、諦めずに頑張れる人間になることだ。
共栄学園の教育の特色に、国際教育への取り組みがある。アイルランド出身のネイティブ教員が、中学と高校で専任教師として教壇に立ち、オーラルコミュニケーションの授業を受け持つ。中学2年を対象とした少人数制の体験型学習プログラム「K-sep(ケーセップ)」を実施するほか、放課後には希望者を対象に「話す力」を鍛えるオンライン英会話を導入、英国への海外研修も用意している。英語レシテーションコンテストは30年続いている伝統的なイベントで、近隣の中学校からも出場者を募集して開催される。
もう一つの特徴は、授業のICT化だ。全教室に電子黒板が導入され、生徒一人一人にタブレットを配布。またClassiやスタディサプリを活用、授業と家庭学習を融合させている。
成長することに
貪欲になってほしい
2024年度からは、高等学校で新たなコース編成が実施される。従来は、難関大学現役合格を目指す特進コースと、幅広い進路選択に対応する進学コースの2コース制だったが、それらを「探究特進コース」「探究進学コース」と改称。その上で、国公立大学を目指す「未来探究コース」、理系進学に特化した「理数創造コース」、語学に特化した「国際共生コース」を新たに設置。つまり、高等学校では入学時から5コース体制となる。
「新しいコース編成では、授業以外のカリキュラムを充実させます。6時間目の後に、それぞれのコースの特性を生かした探究活動を用意して、教員が生徒と同じ目線に立ち、今の社会で起こっているさまざまな事象を研究し、深掘りしていきます。生徒たちには、知的好奇心を持って、教科書以外の世界を探究してほしい。そして勉強すること、成長することに貪欲になってほしい。そのきっかけとなる刺激的な探究活動を、高等学校を中心に中学でも展開していくつもりです」
そう説明するのは、広報部長の増村薫教諭だ。時間をかけて一つのテーマを探究することもでき、その探究の成果は生徒一人一人のポートフォリオとなって、大学の総合型選抜にも役立つはずだ。
文武両道の教育理念の通り、部活動も盛んで、高校バレーボール部は春高バレーでベスト8、高校ダンスドリル部はSHORT FLAG部門で日本一に輝いている。運動部ばかりでなく、eスポーツ部も全国レベルで活躍。進路指導の方針は第1志望主義で、初志貫徹での現役合格を目指す。最寄り駅は京成本線「お花茶屋」。明るく元気な生徒が多く、地域から愛されている共学校だ。