「セルフリーダーシップ」をミッションに掲げる共立女子大学の付属校。自然豊かなキャンパスで「体験」重視の学びを推進。高校は「4コース制」で進路希望に沿った教育を実践しており、現役進学率99.3%を誇る。
晴山誠也校長
共立女子第二中学校高等学校は、東京・八王子の「月夜峰」と呼ばれる標高200メートルの丘陵地にある。自然豊かなキャンパスは東京ドーム5個分と広大で、多種多様な花や植物、野鳥などを観察できる。この恵まれた自然環境の中で、理科をはじめさまざまな教科で「体験」を重視した教育を推進し、豊かな感性を育んでいる。
「子どもたちが『お散歩』と呼ぶ野外観察をよく行います。卒業生たちは皆、豊かな自然の中で伸び伸びと過ごしたことが一番の思い出だと口にします」
そう語るのは理科の教員でもある晴山誠也校長だ。
学習面では英語教育に独自の4技能統合型授業を導入している。「レイヤードメソッド」と名付けたオリジナルの指導法は、音読トレーニングを反復して行うもの。ネイティブ教員による発信力を重視した授業で、昨年は高校で8人が英検準1級に合格している。
高校では従来の「特別進学コース」「総合進学コース」に加え、2022年度から「英語コース」と「共立進学コース」を新たに導入。「英語コース」ではニュージーランドへのターム留学を必須とし、ベルリッツと提携した授業を組み込んでいる。一方、共立を第一志望とする「共立進学コース」では「KWU高大連携プログラム」を採用し、3年次に大学の授業を受講でき、進学した際には単位となる。
外部へチャレンジできる
安心の「他大併願推薦」
22年度、共立への進学率は38.1%で、54.4%が外部へ進学した。共立への推薦合格を保持し外部大学へチャレンジできる「他大併願推薦」があり、多様な希望進路の実現を後押しし、現役進学率は99.3%を誇る。「生徒たちには大学時代に社会で自分ができることを見つけ、自分らしさを発揮して、主体的に生きてほしいと願っています。その基盤となる力を中高時代に育むのが本校の使命です。女子校というジェンダーバイアスのない環境は生徒会や行事など、リーダーシップを発揮できる機会が多々あります。ロールモデルとなる先輩もたくさんいるので、積極性が自然と引き出されます」と晴山校長。
同校が目指すのは自分の人生を主体的に生きる力を育む「セルフリーダーシップ」を持った女性の育成だ。セルフリーダーシップとは、先頭に立つリーダーということだけでなく、友と協力し、助け合い、共に物事を進めていく力を指している。
昨冬実施された生徒会役員選挙では9人の役員に16人の立候補があり、立ち合い演説会など大人の選挙顔負けの活発な選挙活動が展開され、皆で盛り上げた。共立第二が目指す「セルフリーダーシップを身に付け、広く社会に貢献できる自立した女性の育成」は、豊かな自然の中でゆっくりと、だが確実に実を結びつつある。